庭に芝生を敷こうと思ったとき、多くの人が迷うのが「天然芝」と「人工芝」のどちらを選ぶかです。
なぜなら、どちらも魅力がある一方で、メンテナンスや費用、見た目の自然さなどで大きな違いがあるからです。
この記事では、天然芝と人工芝のメリット・デメリットを徹底比較し、庭作りで失敗しないための選び方を解説していきます。

天然芝と人工芝はどちらにしようか迷うことがよくあります。ぜひ参考にしてください。
天然芝の魅力と特徴
天然芝の魅力は、なんといっても自然ならではの風合いと四季の移ろいです。
なぜなら、春は柔らかな新芽の緑が芽吹き、夏は濃く深い緑で庭全体を彩るからです。そして、秋には少しずつ色が落ち着き、冬になると休眠して茶色に変化。
この色合いの変化は、まさに「自然のカレンダー」ともいえる楽しみ方です。とくに、日本芝(高麗芝・姫高麗芝・TM9など)は、日本の気候に適応しており、古くから庭園や公園で親しまれてきました。
また、素足で歩いたときの柔らかい感触や、家族で寝転んで遊べる安心感も、天然芝ならではの魅力です。
天然芝のメリット
自然な美しさ
人工芝では出せない“本物の質感”が最大の魅力。
春は明るい黄緑、夏は鮮やかな深緑、秋冬には少しずつ枯れ色に変化します。このように、季節ごとに違う表情を見せる芝生は、庭にいながら自然のリズムを感じさせてくれます。
環境への効果
芝生は光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を供給します。
また、昆虫や小鳥のすみかにもなるため、生き物が集まる「小さなエコシステム」を庭に作ることができます。とくに、子どもと一緒に観察するのも楽しいポイントです。
地面の温度を下げる効果
芝生はアスファルトやコンクリートに比べて表面温度が10〜20℃も低いといわれています。
そのため、真夏でも裸足で歩ける快適さがあり、ヒートアイランド現象の抑制にも貢献します。これにより、ペットや小さな子どもが遊ぶ庭にとっては大きな安心材料となります。
天然芝のデメリット
手入れの手間
春から秋にかけては生長が早く、2週間に1回は芝刈りが必要です。そして、水やりや肥料、病害虫の管理も欠かせません。
このように、美しい芝生を保つには、日々のケアが重要になります。
気候や土壌に左右される
日当たりが悪い場所や、水はけの悪い土壌ではうまく育ちません。
そのため、土壌改良や排水対策が必要になることもあります。とくに、庭の条件次第では、想像以上に労力がかかる場合も…
冬に枯れる見た目
日本芝は寒さに強い反面、冬になると休眠して茶色くなります。
これは、枯れているわけではなく春に再生しますが、「一年中緑を保ちたい」人には不向きです。そのため、冬でも緑を楽しみたい場合は、西洋芝やオーバーシードなどの工夫が必要です。
このように、天然芝は「自然の美しさと快適さ」を求める人には理想的ですが、その分「手間や季節の変化」を受け入れる必要があります。
そのため、庭づくりで天然芝を検討する際は、ライフスタイルやメンテナンスにかけられる時間と照らし合わせて判断すると、失敗しません。
人工芝の特徴
人工芝は、ポリエチレンやポリプロピレンといった合成樹脂で作られた芝生です。
一昔前は「いかにも人工的」という見た目でしたが、近年は本物そっくりの質感や色合いの商品が増えており、遠目では天然芝と見分けがつかないほどリアルになっています。
また、庭に限らず、ベランダ・屋上・室内のプレイルームやペットスペースなど、幅広い場所で利用できるのも大きな特徴です。

人工芝のメリット
一年中緑を維持できる
天然芝と違い、季節や気候に左右されず、常に美しい緑を保ちます。
そのため、冬でも夏でも「青々とした芝生の景観」を楽しめるため、庭の雰囲気を大きく格上げできます。これにより、写真映えや来客時の印象アップにも効果的です。
設置場所を選ばない
日当たりや土壌の状態を気にせずに敷けるのが強みです。これにより、土のないベランダやコンクリートの屋上でも、人工芝を敷くだけでガーデン風の空間に変えることができます。
また、室内の子ども部屋やペット用スペースにも活用可能で、クッション性があるため安全性も高いです。
メンテナンスが楽
芝刈りや水やり、といった手間が不要です。そして、人工芝を敷くときは、防草シートも敷くので、雑草対策も出来ます。
これにより、掃除も落ち葉やゴミを掃き取る程度で済み、忙しい人やシニア世代にも向いています。このように、天然芝に比べて「維持の労力が圧倒的に少ない」点は大きなメリットです。
人工芝のデメリット
初期費用が高い
DIYで敷く場合は1㎡あたり3,000〜5,000円、業者に依頼すると5,000〜10,000円程度が目安です。とくに、庭全体に敷くとなるとまとまった費用がかかるため、長期的なコストと比較して検討が必要です。
耐久年数に限りがある
商品や環境にもよりますが、5〜10年ほどで劣化や色あせが目立ち始めます。そのため、長く使うには定期的な張り替えが必要で、トータルコストが気になる点です。
火気に弱い
合成樹脂製のため、バーベキューや花火などで火の粉が落ちると溶けたり焦げたりする恐れがあります。そのため、庭でアウトドア調理を楽しみたい人には注意が必要です。
このように、人工芝は「手間をかけずに常緑の景観を楽しみたい人」にぴったりですが、「初期費用」「耐久性」「火気のリスク」などを理解しておくことが大切です。
天然芝と比較すると、「自然の風合い」か「手軽さ」か、どちらを優先するかで選び方が変わります。
天然芝と人工芝を比較:環境・デザイン・コストの違い
芝生を取り入れるとき、多くの人が悩むのが「天然芝か人工芝か」。それぞれに魅力と注意点があり、ライフスタイルや価値観によって最適な選択は変わります。
ここでは環境・デザイン・コストの3つの視点から詳しく比較してみましょう。
環境への影響
天然芝
天然芝は光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を供給します。
さらに、昆虫や小鳥のすみかにもなり、小さな庭でも生態系を育むことができます。一方で、育成には水や肥料が必要で、除草剤や農薬を使う場合は環境負荷がかかることも…
とくに、夏の水やりは水道代にも直結します。
人工芝
水や肥料を必要とせず、メンテナンスのための化学薬品も不要なので、日常的な環境負荷は少なめです。
ただし、素材はプラスチックであり、廃棄時には産業廃棄物として扱われるため、処分方法やリサイクル性が課題になります。
👉 「自然を育てたいか」「環境負荷を減らしたいか」で選び方が変わります。
デザイン性
天然芝
季節ごとに色が変わり、春の新芽、夏の濃い緑、冬の茶色など、自然のリズムを感じられるのが最大の魅力。
とくに、風にそよぐ音や、素足で歩いたときの感触も格別で、庭を“自然そのもの”に変えてくれます。
人工芝
好きな形にカットでき、曲線の花壇まわりや狭い通路などにも敷きやすいのが特長。
さらに、緑の濃淡や芝丈の長さを選べる商品が増えており、「常緑の庭」「ふわふわの芝」「スポーツグラウンド風」など、思い描くデザインを実現しやすいです。
これにより、玄関まわりやベランダ、屋上など、土がない場所でも“緑の空間”を演出できます。
コスト
天然芝
初期費用は比較的安く、1㎡あたり数百円〜1,500円程度で芝を張れます。
ただし、維持費として、芝刈り機の購入、肥料代、水道代、除草対策などが必要になり、長期的にはコストがかさむのが実情です。
とくに、広い庭ほど年間のメンテナンス費用が大きくなります。
人工芝
導入時の費用は高く、DIYで敷いても1㎡あたり3,000〜5,000円、業者に依頼すると5,000〜10,000円ほどかかります。
ただし、設置後は芝刈りや水やりが不要で、ランニングコストはほぼゼロ。そのため、「最初に投資して、あとは手間なく長く使う」という考え方に合う人に向いています。
このように…
- 自然と季節感を楽しみたい人 → 天然芝
- 手間をかけず一年中緑を維持したい人 → 人工芝
天然芝が向いている人/人工芝が向いている人
芝生を選ぶときに大切なのは、見た目や費用だけでなく「自分のライフスタイルに合っているかどうか」です。なぜなら、自然の風合いを楽しみたい人もいれば、手間をかけずに緑を維持したい人もいるからです。
ここでは、天然芝に向いている人・人工芝に向いている人を具体的に紹介していきます。そして、あなたの生活スタイルや庭の使い方と照らし合わせながら、理想の芝生選びの参考にしてください。
天然芝が向いている人
自然な景観を大切にしたい人
季節ごとに変わる色合いや質感を楽しみたい人には天然芝がおすすめです。
とくに、春の若草色、夏の濃緑、秋から冬にかけての落ち着いた茶色といった“自然の表情”を庭で味わえます。そのため、四季を肌で感じたい人にぴったりです。
手入れの時間を楽しめる人
芝刈りや水やり、肥料の散布は手間ですが、それを「癒しの時間」と感じられる人に向いています。
とくに、休日に家族で庭を整えたり、子どもと一緒に芝刈りをしたりすることで、庭のある暮らしそのものが趣味になります。
環境に優しい庭づくりをしたい人
天然芝はCO₂を吸収し酸素を供給するだけでなく、小さな虫や鳥のすみかにもなります。そのため、エコロジーや生物多様性を意識した庭づくりを目指す人には理想的な選択肢です。
人工芝が向いている人
手間をかけずに緑を楽しみたい人
忙しくて庭の管理に時間を割けない人や、体力的に芝刈りが大変な人には人工芝が最適です。
とくに、設置してしまえば芝刈りや水やりが不要で、掃除も簡単。これにより、いつでもきれいな状態を維持できます。
ベランダや日陰などにも芝を敷きたい人
天然芝は日当たりや土壌に左右されます。しかし、人工芝なら関係ありません。
そのため、マンションのベランダや屋上、日陰の庭でも緑を楽しめます。これにより、ペットの遊び場や子どものプレイスペースとしても人気です。
一年中美しい庭を維持したい人
天然芝は冬に枯れて茶色くなりますが、人工芝は常に鮮やかな緑を保てます。そのため、来客時の印象アップや、写真映えする庭を求める人にもおすすめです。
👉 ポイントは、
- 自然や庭いじりそのものを楽しみたい人=天然芝
- 手軽さやデザイン性を重視したい人=人工芝
というシンプルな軸です。
まとめ:あなたの庭にぴったりの芝生を選ぼう
いかがでしたか?
天然芝と人工芝には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 自然の風合いや季節の移ろいを楽しみたい人 → 天然芝
- 手間をかけず、一年中きれいな緑を楽しみたい人 → 人工芝
そして、大切なのは、あなたのライフスタイル・予算・庭の環境に合うかどうか。自分に合った芝生を選ぶことで、満足度の高い庭づくりができます。
芝生のある庭は、家族や友人との時間をもっと心地よく、特別なものにしてくれるはずです。
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