庭のシンボルツリーは、家の雰囲気を決める大切な一本。
でも、「どの木を選べばいいの?」「成長したらどうなるの?」と迷っていませんか?なぜなら、適切な樹種を選ばないと、管理が大変になったり、周囲に迷惑をかけたりすることも…。
そこで今回は、初心者の方でも後悔しないためのポイントを具体的にご紹介していきます。

シンボルツリーは家の顔になります。植える場所の環境に適した樹木を選ぶようにしましょう。ぜひ参考にしてください。
シンボルツリーとは?庭を引き立てる一本の存在
シンボルツリーとは、その名の通り庭や家の「シンボル」となる一本の木のことです。そのため、単なる植木ではなく、家全体の印象を左右する“庭の主役”ともいえる存在です。
見た目の美しさはもちろん、実用的な役割も果たしてくれます。
例えば、道路や隣家からの目隠し、強い風を和らげる防風効果、花や葉が放つ香り、そして木陰をつくってくれるなど、暮らしに寄り添ったメリットがたくさんあります。
さらに、シンボルツリーは季節ごとの変化を楽しめる魅力も大きなポイント。
- 春には、ハナミズキやヤマボウシが可憐な花で訪れる人を迎えてくれる
- 夏には、青々とした葉が涼やかな木陰をつくり、庭の憩いの場に
- 秋には、モミジやカツラが鮮やかな紅葉で彩りを添える
- 秋から冬にかけては、キンモクセイの甘い香りが風に乗り、季節の訪れを知らせてくれる
このように、シンボルツリーはただ庭に植える木ではなく、四季の移ろいを感じさせ、家族や来客にとって特別な思い出を刻む存在になります。
失敗しないための7つの基本ポイント
シンボルツリー選びでよくある失敗は…
- 「見た目だけで決めてしまった」
- 「思った以上に大きくなった」
- 「手入れが大変だった」
など、植えてから数年後に気づくケースが多いものです。そこで大切なのが、事前に環境・成長・手入れのしやすさをしっかり考えること。
ここでは、初心者でも安心してシンボルツリーを選べるように、押さえておきたい7つの基本ポイントをまとめました。そして、これを意識するだけで、後悔のリスクをぐっと減らせます。
1. 目的をはっきりさせる
まずは、「なぜシンボルツリーを植えるのか?」を明確にしましょう。なぜなら、目的によって選ぶ木は大きく変わるからです。
景観重視
- 家の外観と調和させ、おしゃれで印象的な雰囲気を演出したい。
- 例:シマトネリコ、ハナミズキ。
機能重視
- 通行人や隣家からの視線をカット、西日の強い光をやわらげる、香りで季節感を楽しむ。
- 例:オリーブ、キンモクセイ。
メンテナンス重視
- 日々の手入れが負担にならないように、落ち葉が少ない、病害虫に強い種類を選ぶ。
- 例:常緑ヤマボウシ、ソヨゴ。
👉 「見た目」「実用」「お手入れ」どこを優先するかを決めると、失敗を防げます。
2. 植える場所の環境を確認
シンボルツリーは「どこに植えるか」で印象も育ち方も変わります。
日当たり
- 南面は元気に育つが、日陰では耐陰性のある樹種が必要。
- 西日は乾燥や葉焼けの原因になることも。
風の強さ
- 台風や強風が当たりやすい場所では、折れにくい樹種や支柱の設置が必須。
動線との関係
- 玄関前に植えれば来客を迎える演出に。
- 駐車場や窓の前は圧迫感や邪魔になるので注意。
👉 植える位置を図面に落としてシミュレーションすると安心です。
3. 常緑樹と落葉樹を比較して選ぶ
👉 「景観の豊かさ」を取るか「機能性」を取るかで選び分けましょう。
4. 成長スピードと最終サイズを考慮
「小さな苗木だから大丈夫」と思って植えると、数年で大きくなり後悔するケースが多いです。
- 成長が早い木は手入れの頻度も増える
- 狭い庭に大木を植えると圧迫感や管理の負担が大きい
- 株立ち樹形を選べば、ボリューム感がありつつ圧迫感を抑えられる
👉 植えるときは「10年後のサイズ」を想像しましょう。
5. 土壌・水はけ・pHを確認
樹木によって好む環境が違うため、土壌条件もチェックしましょう。
- 乾燥しやすい場所 → オリーブ、ユーカリなど乾燥に強い樹木
- 湿りやすい場所 → イチョウ、ハンノキなど耐湿性のある樹木
- pH → 一般的には弱酸性〜中性がベスト。市販の測定キットで調べると安心
👉 苗木を植える前に、土改良(堆肥や腐葉土を混ぜる)をしておくと根付きが良くなります。
6. 根の張り方に注意
樹木の根は「見えないけれどとても重要」。
- 浅根性・・・
地表に広がりやすく、アスファルトやタイルを押し上げたり、配管に影響する場合もある - 深根性・・・
しっかり根を下ろすので倒れにくいが、植えるための深い穴や十分なスペースが必要
👉 建物や塀から最低でも1〜2mは距離を取ることが大切です。
7. 手入れの負担を想定
植えるときは美しいですが、その後の管理を続けられるかがポイントです。
- 剪定が簡単か、業者に依頼が必要か
- 病害虫が出やすい種類かどうか
- 花びらや落ち葉が多く、掃除が大変にならないか
👉 最初から「手入れがラクな種類」を選んでおくと、長く楽しめます。
このように、「見た目・機能・環境・手入れ」のバランスを考えて選ぶことが、シンボルツリーを成功させる秘訣です。
初心者におすすめのシンボルツリー
シンボルツリーは庭の主役になる存在。そのため、せっかく植えるなら、育てやすく長く楽しめる種類を選びたいですよね。
ここでは、初心者でも扱いやすく、見た目や季節感をしっかり楽しめるおすすめの樹木を紹介していきます。
常緑樹(目隠し・管理しやすい)
1年を通して葉をつける常緑樹は、プライバシー確保や庭の安定した景観づくりに最適です。
ソヨゴ
- 成長がゆるやかで、大きくなりすぎないのが魅力。
- 赤い実をつけるので、緑の中に季節感を演出できます。
- 落葉が少なく、掃除の手間も少ないため、初心者に特におすすめです。
モチノキ
- 丈夫で病害虫にも比較的強い品種。
- 乾燥や多少の剪定にも耐えるので、管理の手間が少なく安心。
- つややかな葉は、庭に上品な印象を与えてくれます。
キンモクセイ
- 秋になると甘い香りが庭中に広がり、季節の訪れを知らせてくれる定番の常緑樹。
- 成長は早めですが、剪定は軽めで十分。
- 植えるだけで“香りのシンボルツリー”として活躍します。
シマトネリコ
- 涼しげな小葉が人気の常緑樹。
- 株立ちにすればナチュラルな雰囲気が出て、どんな住宅にも馴染みます。
- ただし、寒冷地では葉が落ちやすくなるため、温暖地向けと覚えておきましょう。
落葉樹(四季を楽しめる)
四季折々の変化を楽しみたい方には落葉樹がおすすめ。
なぜなら、春の花、夏の木陰、秋の紅葉、冬のすっきりとした枝ぶりと、1年中異なる表情を見せてくれるからです。
ヤマボウシ
- 白い花、赤い実、美しい紅葉と、三拍子そろった人気樹木。
- 病害虫にも強く、自然な樹形も魅力。
- 庭に一本あるだけで、季節の移ろいをしっかり感じられます。
ハナミズキ
- 春に咲く華やかな花がシンボルツリーにぴったり。
- 秋には赤い実と紅葉も楽しめ、見応えがあります。
- 洋風の住宅にもよく合うため、外観をおしゃれに見せたい方におすすめです。
アオダモ
- 繊細な葉とスラリとした樹形で、上品な雰囲気を演出。
- 日陰にも強いため、庭の北側や狭いスペースにも向きます。
- 和風にも洋風にも合わせやすい万能タイプです。
モミジ
- 秋の紅葉といえばやはりモミジ。
- 春の若葉、夏の青葉、秋の紅葉と一年を通じて見どころがあります。
- ただし、西日の強い場所では葉が傷みやすいため、半日陰の環境がベストです。
このように、常緑樹は「一年中の安心感」、落葉樹は「四季の表情」が魅力。そして、庭の用途やライフスタイルに合わせて選ぶことで、長く愛せるシンボルツリーになります。
よくある失敗を防ぐチェックリスト
シンボルツリー選びで後悔しないためには、植える前にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。そのため、以下のチェックリストを使うことで、ありがちな失敗を未然に防ぐことができます。
最終的な高さ・幅を確認した
苗木のときは小さくても、数年後には予想以上に大きく育ちます。
そのため、高さだけでなく、横幅や枝の広がりも確認して、玄関や駐車場を圧迫しないかをシミュレーションしましょう。
日当たりや風の影響を考えた
南面は日差しが強すぎて葉焼けする場合もあれば、北側は光不足で育ちにくいことも…また、風の通り道では枝が折れるリスクもあるため、支柱や防風対策が必要になるケースがあります。
目的(景観・目隠し・香りなど)を明確にした
「おしゃれに見せたい」「西日を遮りたい」「花や香りを楽しみたい」など、目的があいまいだと後悔につながります。
そのため、用途に合わせて樹種を絞り込むことが、成功の秘訣です。
土壌や水はけを確認した
乾燥しやすい庭にはオリーブなど乾燥に強い樹木、湿気が多い場所にはイチョウなど耐湿性のある樹木が向きます。
しかし、水はけが悪いと根腐れの原因になるため、植え付け前に改良しておきましょう。
根の張り方が建物や配管に影響しないか確認した
浅く横に広がる根は、舗装を持ち上げたり配管に干渉する場合があります。
しかし、深く根を張るタイプなら倒れにくい反面、広い植え穴や十分な距離が必要です。そのため、建物や塀からの距離を必ず確保しましょう。
剪定・掃除の手間を許容できる
「落ち葉が多すぎて掃除が大変」「成長が早くて剪定が追いつかない」といった悩みはよくある失敗例。そのため、自分で管理できるか、業者に頼むことも視野に入れるかを事前に考えておきましょう。
このチェックリストを一つずつ確認することで、「植えてみたけど大変だった…」という後悔を防ぎ、長く楽しめるシンボルツリーを選べます。
管理の基本
シンボルツリーは植えて終わりではなく、その後の管理が美しい姿を長く楽しむカギになります。ここでは、初心者でも無理なく続けられる基本の「剪定・水やり・肥料」について解説していきます。
剪定
木の健康を保ち、樹形を整えるために欠かせない作業です。
常緑樹
- 3〜6月の新芽が伸びる時期に軽く剪定するのがベスト。
- 枝が混み合っている部分を間引く程度で十分です。
- 強く切りすぎると見栄えが悪くなるので、あくまで“風通しを良くする”イメージで。
落葉樹
- 冬の休眠期(11〜2月)に剪定します。
- 葉が落ちて枝の形が見やすいので、不要な枝や内向きに伸びる枝を整理しましょう。
- 春に向けて、すっきりとした姿に整えてあげる感覚です。
花木(例:ハナミズキ・ヤマボウシなど)
- 花が咲き終わった直後に軽く整えます。
- 翌年の花芽は夏以降に作られるため、剪定が遅れると花付きが悪くなるので要注意です。
水やり
シンボルツリーは地植えにすると根を広く張り、自然に雨水を吸収しますが、植えた直後は特に水管理が重要です。
定植直後(植え付け〜1〜2か月)
- 根がまだ十分に張っていないため、毎日〜隔日でたっぷりと与えましょう。
- 根鉢全体に水が行き渡るイメージで。
成長後
- 基本的には降雨に任せてOK。
- 夏の高温乾燥期や雨が少ない時期だけ補助的に水やりをします。
季節のポイント
- 夏は朝の涼しい時間に水やり → 蒸発を防ぎ、根のダメージを軽減
- 冬は乾燥していても水やりは控えめに → 過湿が根腐れの原因になる
肥料
樹木の健康を保つには、成長や季節に応じた栄養補給も欠かせません。
春(2〜4月)
- 成長が始まる前に有機肥料や緩効性肥料を与えると、芽吹きが良くなり、枝葉がしっかり育ちます。
秋(9〜11月)
- 冬に備えて根を強化するための肥料を与えます。
- カリ分を含む肥料を使うと寒さに耐える力がつき、翌春も元気に芽吹きます。
夏
- 暑さで根が弱りやすいため、肥料は控えめに。
- 過剰に与えると逆に樹木にストレスを与えてしまいます。
このように、 剪定で“形を整え”、水やりで“根を守り”、肥料で“活力を補う”。この3つを押さえることで、初心者でもシンボルツリーを健康に、美しく育てられます。
また、庭の管理はプロに任せるという選択肢もあります。とくに、「お庭110番」は剪定・伐採・草刈り・芝刈りなどプロの技術で行ってくれます。
まとめ:庭に合う“一本”を計画的に選ぼう
いかがでしたか?
シンボルツリーは、庭や暮らしを長く彩る存在です。
- 目的を明確に
- 環境・サイズ・手入れを考慮
- 常緑樹・落葉樹の特性を理解
これらを意識することで、初心者でも失敗せずに理想の一本を選べます。そして、あなたの家の“顔”になるシンボルツリー、ぜひ慎重に選んでください。
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