ガーデニングを始める際、お庭にどんな木を植えるかは大きな決断です。
特に「常緑樹」と「落葉樹」の選択は、お庭の年間を通じた景観に大きく影響してしまいます。
そこで今回は、常緑樹の選択に焦点を当て、そのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
適切な木を選ぶことで、あなたのお庭が一年中魅力的な空間に変わるかもしれません。

木は簡単に植え替えるものではありません。だからこそ、最初の選び方がとっても大切。この機会にしっかりと情報をキャッチして、あなたのお庭に最適な木を選びましょう!
常緑樹の特徴
常緑樹は、その名の通り、一年中緑の葉を保ちます。
冬になっても葉を落とさず、年間を通して庭の景観を保ってくれます。また、緑の葉は、お庭に常に生命感を与えてくれる頼もしい存在です。
風や雪を自然のバリアとして防ぎ、乾燥した環境でも水分を保持する能力があります。これらの特性から、常緑樹はお庭や公園で重宝されています。
常緑樹のメリット
四季を通じた美しい景観
常緑樹は、冬になっても葉を落とさないため、一年中緑の美しさを楽しむことができます。
また、落葉樹が葉を落とす冬場でも、常緑樹はお庭に色彩を提供し続けてくれます。
自然のシールドとしての役割
強風や雪から家を守るバリアとしての機能もあります。
とくに、冬の厳しい天候の際、常緑樹があることで、その影響を和らげることができます。
水分保持能力
常緑樹は水分を効率的に保持するため、乾燥する季節でも健康を維持します。これにより、水やりの頻度を減らすことができ、手間を省けます。
常緑樹のデメリット
重厚感のある外観
常緑樹の葉は濃い色合いで厚みがあり、場合によっては重たい印象を与えてしまうことがあります。
また、この点は、お庭の全体的なデザインとのバランスを考える際に重要なポイントになります。
下草の育成が困難
常緑樹の下は日陰になりがちで、下草が育ちにくい環境となってしまいます。
しかし、耐陰性のある下草を選べば、この問題を解決することができます。
寒さへの弱さ
一部の常緑樹は寒さに弱いため、寒冷地にお住まいの方は、耐寒性をしっかりとチェックする必要があります。
冬の日当たりへの影響
常緑樹は冬でも葉が茂っているため、日当たりが悪くなってすまう可能性があります。
また、暖かい日差しを楽しみたい場合は、木の配置を慎重に計画することが重要になります。
四季の変化を感じにくい
常緑樹は一年中緑を保つため、春の芽吹きや秋の紅葉など、四季の変化を感じにくいことがあります。
剪定のタイミングと方法
剪定は、常緑樹を健康に保つために非常に重要な作業です。
また、剪定を正しく行うことで、木の形を整えるだけでなく、風通しを改善し、病気や害虫を防ぐ効果があります。
以下にて、具体的な剪定のタイミングと方法について解説していきます。
剪定のタイミング
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春先(3月〜5月)・・・
常緑樹の剪定に最も適した時期は春です。
冬が終わり、木が新しい芽を出す前に剪定を行うと、切り口が早く回復し、木に負担がかかりにくいです。
また、春先の剪定は、樹形を整えるためや、古くなった枝を取り除くために最適です。 -
秋(9月〜11月)・・・
秋も剪定が行いやすい季節です。
夏の成長期が終わり、冬に備えて軽い剪定を行うことで、木が無駄にエネルギーを消費することなく冬を越す準備ができます。
ただし、寒さが本格化する前に剪定を終えるのが理想です。
剪定の方法
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風通しを良くする剪定・・・
常緑樹の葉は密集しがちで、風通しが悪くなると湿気がこもり、病気が発生しやすくなります。剪定では、内部の込み入った枝や弱った枝を取り除き、風通しを良くすることが重要です。風通しが良いと、日当たりも改善され、全体的な樹木の健康が向上します。 -
形を整える剪定・・・
木の形が乱れている場合や、枝が長くなりすぎた場合は、全体のバランスを見ながら剪定します。とくに、庭の景観に合った形を保つことが大切です。
また、剪定する際は、枝の分かれ目や葉の付け根付近で切ると、自然な形に整えられます。 -
枯れ枝や病気の枝を取り除く・・・
常緑樹は、枯れ枝や病気の枝が発生しやすいため、これらを定期的に取り除くことが必要です。枯れた枝や病気の部分は、早めに切り落とすことで、木全体の健康を保つことができます。
常緑樹の種類と具体例
常緑樹にはさまざまな種類がありますが、
今回はオリーブ、ソヨゴ、シマトネリコという代表的な3種類を詳しく紹介していきます。
それぞれの木の特徴と、どのような庭に適しているかを見ていきましょう。
1. オリーブ(Olea europaea)
- 特徴・・・
オリーブは地中海沿岸原産の樹木で、銀灰色の葉と独特のシルエットが特徴です。
また、乾燥に強く、日当たりの良い場所を好みます。そして、非常に丈夫で、手入れが少なくても育つため、初心者にもおすすめです。 - おすすめの環境・・・
オリーブは排水の良い土壌と、十分な日光が確保できる環境で最も良く育ちます。
そして、寒冷地には向かないため、暖かい地域や風の少ない場所に植えるのが理想です。
また、鉢植えにも適しており、ベランダやテラスでの栽培にも向いています。
2. ソヨゴ(Ilex serrata)
- 特徴・・・
ソヨゴは、日本国内でも人気の高い常緑樹で、赤い実が特徴的です。
そして、樹形が美しく、葉が柔らかく光沢があるため、庭に自然な優しさを加えます。
また、成長がゆっくりで、剪定の手間も少ないのが魅力です。 - おすすめの環境・・・
ソヨゴは半日陰でも元気に育つため、日陰が多い庭にも適しています。
また、耐寒性があり、寒冷地でも問題なく育つので、広い地域で活用できます。シンボルツリーや目隠しとしても人気です。
3. シマトネリコ(Fraxinus griffithii)
- 特徴・・・
シマトネリコは、軽やかな葉とスラリとした樹形が特徴的で、洋風・和風どちらの庭にも合う万能な常緑樹です。
そして、比較的成長が早く、剪定にも強いので、庭の目隠しやシンボルツリーとして使われることが多いです。 - おすすめの環境・・・
シマトネリコは日当たりの良い場所でよく育ちますが、半日陰でも元気に成長します。
また、湿気や寒さにも強いため、幅広い地域で植えることができます。
成長が早いので、適切な剪定が必要ですが、育てやすい木です。
下草の具体例
常緑樹の下は日陰になることが多く、他の植物が育ちにくい環境です。
しかし、日陰でも元気に育つ下草を選ぶことで、庭全体の景観を美しく保つことができます。
以下は、常緑樹の下でも育つ耐陰性のある下草の具体例です。
1. ヒューケラ(Heuchera)
- 特徴・・・
カラフルな葉が魅力のヒューケラは、日陰でも美しい葉を保つことができます。
また、葉の色は赤やピンク、紫などさまざまで、庭のアクセントとして人気です。小さな花も楽しめますが、主に葉を楽しむ植物です。 - おすすめの環境・・・
日陰や半日陰に強く、湿気のある場所でも育つため、常緑樹の下に最適です。
とくに、シマトネリコなどの風通しの良い木の下で育てると、見た目にも美しく調和します。
2. ギボウシ(Hosta)
- 特徴・・・
ギボウシは、厚みのある大きな葉が特徴で、耐陰性に非常に優れています。
また、庭の縁取りや、広がりを持たせたい場所に適しており、夏には可憐な花を咲かせます。 - おすすめの環境・・・
完全な日陰でも育つので、常緑樹の下のスペースを彩るのに最適です。
そして、湿気にも強く、シダや苔などと組み合わせることで、涼しげな雰囲気を演出することができます。
3. アジュガ(Ajuga)
- 特徴・・・
アジュガは、地面を覆うように広がるグラウンドカバー植物です。
また、春には青紫の花を咲かせ、葉の色も季節によって変化するため、年間を通じて楽しめます。 - おすすめの環境・・・
日陰でも元気に育つため、常緑樹の下でも効果的に地面をカバーしてくれます。
また、耐寒性があり、寒冷地でも育つため、広い地域で植えることができます。
これらの下草を使うことで、常緑樹の下でも庭全体が美しい緑で彩られ、庭のデザインがより引き立つでしょう。
まとめ:【ガーデニング初心者向け】常緑樹を植えるメリットとデメリット
いかがでしたか?
常緑樹は、その美しさと機能性でお庭に大きな価値をもたらしますが、選択する際にはデメリットも考慮する必要があります。
この記事が、あなたのお庭に最適な常緑樹を選ぶ際の参考になれば幸いです。そして、美しい庭木を維持するためには、適切な剪定も重要です。プロの業者に依頼することで、常緑樹の美しさを長期間保つことができます。
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常緑樹の選択は、お庭の魅力を高めるだけでなく、生活空間に穏やかな緑の安らぎをもたらしてくれます。慎重に選び、素敵なガーデニングライフを楽しんでください!
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