庭を美しく保つためには、気候や用途に合った芝生を選ぶことが重要になります。そのため、この記事では、日本芝と西洋芝の特徴や選び方、手入れ方法まで詳しく解説していきます。

初心者でも理解しやすい比較表や年間スケジュールもご紹介していますので、ぜひ参考にして理想の庭づくりにお役立てください。
芝生の基本:日本芝と西洋芝の違いを理解しよう
芝生には大きく分けて「日本芝(和芝)」と「西洋芝(洋芝)」の2種類があります。
そのため、見た目や手入れの頻度、育てやすさが異なるため、庭の用途や住んでいる地域の気候に合わせて選ぶことが大切です。
日本芝の代表的な種類と特徴
① 野芝(ノシバ)
- 特徴・・・
葉が太くて丈夫で、踏まれても枯れにくい - メリット・・・
日本原産で高温多湿に強く、手入れも最小限 - おすすめの用途・・・
運動場、公園、法面などの公共スペースに最適 - デメリット・・・
見た目はやや粗め、冬は完全に茶色に休眠する
② 高麗芝(コウライシバ)
- 特徴・・・
葉が細かく、緻密で上品な見た目 - メリット・・・
耐暑性に優れ、家庭の庭にも広く使われる - おすすめの用途・・・
住宅の庭、ゴルフ場のフェアウェイ - デメリット・・・
刈り込みや施肥などのメンテナンスが必要
③ 姫高麗芝(ヒメコウライシバ)
- 特徴・・・
日本芝の中でも特に葉が細かく、密度が高い - メリット・・・
まるで絨毯のような美しさで観賞用にも最適 - おすすめの用途・・・
見た目を重視した和風庭園・住宅庭 - デメリット・・・
頻繁な芝刈りや手入れが必要で、上級者向け
西洋芝の代表的な種類と特徴
暖地型西洋芝(例:バミューダグラス、ティフトン芝)
- 特徴・・・
暑さに強く、夏場に旺盛に成長 - メリット・・・
スポーツ用芝として人気で、耐久性・踏圧性に優れる - おすすめの用途・・・
グラウンド、競技場、庭の一部の緑化 - デメリット・・・
冬は休眠して茶色くなるため、冬の景観には不向き
寒地型西洋芝(例:ケンタッキーブルーグラス、ベントグラス)
- 特徴・・・
一年中鮮やかな緑を保つ種類が多い - メリット・・・
寒冷地に強く、北海道や本州の高地でよく使われる - おすすめの用途・・・
寒冷地の庭園、ゴルフ場のグリーン、洋風ガーデン - デメリット・・・
暑さに弱く、日本の夏に枯れる場合があるため、定期的な水やりや手入れが必須
自分の庭に合った芝生を選ぼう
芝生を選ぶときは、気候(暑さ・寒さ)・手入れにかけられる時間・見た目の好みを考慮して選びましょう。
- 初心者・メンテナンスが苦手な方・・・野芝や高麗芝がおすすめ
- 見た目の美しさを重視する方・・・姫高麗芝や寒地型西洋芝が◎
- 通年で緑を保ちたい方・・・寒地型西洋芝(ただし、夏越しの工夫が必要)
- 庭の一部だけを芝生にしたい方・・・用途に応じて混植も可(例:和風庭園+芝生の小道)
また、必要に応じて、人工芝という選択肢も視野に入れて、理想の庭を目指しましょう。
芝生選びの3つのポイント:気候・用途・手入れのバランスがカギ!
芝生は、種類によって特徴や育てやすさが大きく異なります。そのため、庭の環境やライフスタイルに合った芝生を選ぶことで、美しい緑を長く楽しめます。
そして、芝生選びの基本となる「3つの視点」から最適な芝を見つけましょう。
1. 気候に合った芝生を選ぶ|長く育てるための基本条件
日本の気候は地域によって大きく異なります。そのため、気温や湿度に適応した芝を選ぶことが重要です。
寒冷地(北海道・東北・高冷地)に住んでいる場合
おすすめ芝生
-
寒地型西洋芝(ブルーグラス、ベントグラス など)
特徴
- 耐寒性が高く、冬でも枯れにくい
- 一年を通して緑を保つ
注意点
- 夏場の高温に弱いため、通風や日よけ、十分な水やりが必要
温暖〜暖地(関東以南)に住んでいる場合
おすすめ芝生
-
日本芝(野芝、高麗芝、姫高麗芝)や暖地型西洋芝(ティフトン)
特徴
- 高温多湿の日本の夏に強い
- 水やりが少なくても育ちやすい
注意点
- 冬は休眠して茶色くなる(春に再び緑に戻る)
2. 用途に応じた芝生を選ぶ|使用目的で選べば失敗しない!
庭を「どう使うか」によって、適した芝生の種類は変わります。
子どもの遊び場やバーベキュースペースにしたい方
おすすめ芝生
-
野芝、ティフトン芝
特徴
- 踏まれても傷みにくく、回復が早い
- 管理が比較的楽で初心者向き
活用シーン
- 子どもの遊具の下、犬のドッグラン、家族のアウトドアスペース
美しい庭づくりや観賞用にこだわりたい方
おすすめ芝生
-
姫高麗芝、ブルーグラス
特徴
- 密度が高く、絨毯のような緑に
- 見た目を重視する方に最適
活用シーン
- 洋風・和風庭園、ガーデニングエリアの引き立て役に
3. お手入れのしやすさ|ライフスタイルに合った選択を
芝生には定期的な芝刈り・水やり・肥料が必要ですが、その手間の程度は種類で大きく変わります。
手間をかけたくない、忙しい方
おすすめ芝生
-
野芝、高麗芝
特徴
- 成長がゆっくりなので芝刈りは年2〜4回程度
- 肥料や水やりも最小限でOK
メリット
- 雑草が生えにくくなる
- 初心者やシニアにも扱いやすい
芝生の手入れを楽しみたい、こだわり派の方
おすすめ芝生
-
姫高麗芝、ブルーグラス
特徴
- 生育が早く、週1〜2回の芝刈りが理想
- 定期的な施肥やエアレーションが必要
メリット
- 見事な緑色とふかふかの感触を維持できる
- 四季折々の変化も楽しめる
あなたの庭と暮らしに合う芝生を選ぼう
このように、芝生は長く付き合うガーデンアイテムです。そのため、導入前にしっかり選び、理想の緑あふれる空間を手に入れましょう。
芝生の購入と準備:理想の庭づくりはここから始まる
芝生を美しく、健康に育てるためには、購入する芝の品質と張る前の準備作業が非常に重要です。
とくに、初心者の方は、形状の違いや敷設手順をしっかり把握してから取りかかることが成功のカギとなります。
芝生の形状と特徴
芝生は主に「切り芝」と「ロール芝」の2タイプに分かれています。また、それぞれに向き・不向きがありますので、用途や面積に応じて選びましょう。
購入時のチェックポイント:品質を見極めるコツ
芝生は「鮮度」と「健康状態」が命です。そのため、購入時に以下の点を確認しましょう。
耐寒性・耐暑性・耐踏圧性
- 自宅の気候に合っているかを確認(寒冷地なら寒地型、西日本なら日本芝など)
- よく踏まれる庭なら「耐踏圧性」の高い種類(野芝・ティフトンなど)を選びましょう
芝の密度
- 葉がしっかり詰まっていて、隙間が少ないものが◎
- スカスカな芝は根付かず枯れるリスクが高い
根の厚み(根鉢)
- 根が十分に発達していて、切り芝の裏が白っぽくないか
- 地面に活着しやすい芝は、持ち上げたときにしっかり土が付いています
店員さんへの質問例
- 「この芝は寒冷地でも育ちますか?」
- 「家庭用で管理しやすい芝はどれですか?」
- 「子どもが遊ぶ庭に向いている芝は?」
芝生を敷く前の地面準備:成功の8割はここで決まる
芝生は下地づくりが命。そのため、ここが雑だと育ちにくく、雑草の温床にもなります。
1. 雑草・石の除去
- スコップ・熊手・雑草取り器具などで、徹底的に根まで取り除く
- 小石やガラスなど、障害物を完全に取り除く
2. 土を平らに整地
- 高低差をなくし、水はけのよい状態に整える
- 軽く踏み固める or 転圧ローラーで押しておくと、芝の活着が良くなる
3. 地面を湿らせておく
- 完全に乾いた土は芝と密着しづらいので、軽く湿らせた状態がベスト
- 水はけが悪い場所は、水たまりができないよう傾斜を調整
芝の敷設手順と初期管理
芝を張った後も、しばらくは「根付く」までの丁寧なケアが必要です。
敷き方のポイント
-
端から順に敷く
-
縦横を交互にする「市松模様」にすると、ズレにくくなります
-
-
隙間を空けずに並べる
-
芝と芝の間に隙間があると乾燥・雑草の原因に
-
-
軽く押さえる
-
芝と地面を密着させるため、ローラーや板などで踏み固める
-
-
隙間に目土(めつち)を入れる
-
芝の間に目土を入れることで、乾燥・ズレ・発根促進に効果あり
-
初期の水やり(根付くまでが勝負!)
- 最初の1週間は毎日、朝か夕方にたっぷりと水を与える
- 乾燥すると根が付かずに枯れるリスクが高まる
- 10日ほど経って根が張ったら、徐々に水やりを減らす
芝張り成功のカギは「購入前チェック」と「準備作業」
芝生を美しく育てるには、以下の点をおさえることが大切です。
- 芝の種類や形状を庭の規模・用途に合わせて選ぶ
- 購入時は品質(密度・根の状態)をしっかり確認
- 整地と水やりを丁寧に行い、芝の根付きをサポートする
芝生の手入れ方法:四季を通じて美しい芝を育てる基本
芝生は、水やり・芝刈り・施肥・除草などの定期的な手入れを行うことで、美しく健康に保つことができます。
そのため、以下では、それぞれのポイントを詳しく説明していきます。
1. 水やり|土の中までしっかり浸透させる
芝生の健康を左右する最大のポイントが「水やり」です。
基本の水やりルール
- 春〜秋(3〜11月)・・・乾燥が続く日は朝か夕方にたっぷり
- 夏(7〜8月)・・・毎朝の水やりが理想。高温乾燥時は夕方にも補助的に与える
- 5〜10cmの深さまで水がしみ込む量(目安:1㎡あたり5〜10L)
- 雨が続く時期や曇天の日は水やりを控えめに
過剰な水やりに注意
- 土が常に湿っていると、根腐れ・病気(葉腐病など)の原因に
- 水やりは「量より頻度」より「量より深さ」が大切です
2. 芝刈り|健康な成長と見た目を維持する
芝刈りは、美しさだけでなく、通気性や病害虫予防にもつながる重要な作業です。
理想の芝丈
- 3〜5cmが目安(日本芝やブルーグラスの場合)
- 観賞用なら2〜3cmに整えると高級感がアップ
芝刈りの頻度
成長期(4〜9月)は週1回が目安。そして、刈る長さは全体の1/3までにしましょう。
- 一気に短くすると、芝が弱る・枯れる原因に
- 例・・・6cm → 一度に刈るのは2cm以内
刈った芝の処理
- 放置すると病害虫の温床に
- 集草袋やブロワーで丁寧に回収し、できればコンポストへ
3. 追肥と除草|元気な芝と雑草ゼロの庭を目指す
追肥(肥料)
時期
- 春(3月下旬〜4月)・・・目覚めた芝に栄養を
- 秋(9月〜10月)・・・越冬に備えて体力を蓄える
肥料の種類
- 芝専用の緩効性肥料(粒状)がおすすめ
- 液体肥料は速効性があるが効果が短期間
注意点
- 肥料の撒きすぎ=「焼け」の原因に。説明書をよく確認
除草
雑草は小さいうちに手で抜くのがベスト。しかし、手に負えない場合は、芝生専用除草剤(選択性除草剤)を使用すると良いでしょう。
- 他の植物に影響しにくく、芝を傷めない処方が必要
4. 年間スケジュール|季節に合わせた芝のケア
芝生の美しさは日々の手入れの積み重ね
専門業者の活用:時間と手間を省いて、庭をプロ品質に仕上げる選択肢
自宅の芝生や庭木の手入れを「プロに任せる」という選択肢は、忙しい現代人にとって非常に有効です。とくに、広い庭や、高所作業・重労働を伴うメンテナンスは、無理せず専門業者を利用することで、安全かつ美しく仕上げることができます。
利用しやすいおすすめ業者
草刈り110番
- 草刈り110番・・・最短即日対応で、草刈りや芝刈りをお任せできます。
iお庭110番
- iお庭110番・・・剪定や伐採も対応可能で、総合的な庭の手入れをサポートしてくれます。
専門業者を活用するメリットとは?
1. 時間と労力を節約できる
草刈りや芝刈り、剪定などは重労働で時間もかかります。そのため、業者に任せることで、自分の時間を他のことに充てられます。
2. プロの技術で仕上がりが美しい
芝刈りの高さ調整や剪定のバランスなど、素人では難しい“プロの仕上がり”が手に入ります。これにより、見た目も、植物の健康状態も向上します。
3. トラブルや事故を回避できる
高い木の伐採や電動工具を使う作業は、転倒やケガのリスクがあります。そのため、安全管理も含めてプロに任せるのが安心です。
4. 長期的に庭を維持できるプランもあり
定期メンテナンスや季節ごとのケアを任せることで、1年を通じて庭の美しさを維持できます。これにより、芝生の年間管理も楽になります。
5. 自分では難しい作業や特殊対応もOK
例えば、「防草シートの施工」「害虫駆除」「庭木の撤去」「新規の植栽」など、DIYでは難しい作業も一括で対応可能です。
手間なく美しい庭を保ちたいなら、専門業者の活用が最適
忙しい方、高齢のご家族がいる方、美しい仕上がりを求める方には特におすすめです。
また、費用も状況に応じて柔軟に見積もってくれるので、まずは無料相談から始めてみるのも良いでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 芝生を敷くのに最適な季節は?
答え:春(3〜5月)または秋(9〜10月)がおすすめです。
春(3〜5月)
理由
- 気温が安定していて、芝の成長に適した時期。
メリット
- 日照時間が長く、芝の活着(根付くこと)が早い
- 成長が旺盛になるタイミングなので、初期のケアで健康な芝に育てやすい
注意点
- 初夏(6月以降)になると気温が上がり、乾燥しやすくなるので水やりの徹底が必要
秋(9〜10月)
理由
- 夏の暑さが落ち着き、湿度が安定するため芝の定着がしやすい
メリット
- 雑草の勢いが弱まり、競合が少ない
- 芝が定着した状態で冬を越せば、春にすぐ成長を始める
注意点
- 寒冷地では10月を過ぎると寒さで根付きにくくなるため、早めの施工が望ましい
避けたい時期
- 真夏(7〜8月)・・・高温乾燥により根付きにくく、水切れで芝が枯れやすい
- 真冬(12〜2月)・・・芝が休眠期に入るため、成長せず根が張りにくい
Q2. 手入れが簡単な芝生は?
答え:野芝や高麗芝が初心者にも扱いやすく、手入れが比較的楽です。
野芝(ノシバ)
特徴
- 日本原産の丈夫な芝で、葉が太め。また、踏まれても強く、自然回復力が高い
手入れの楽さ
- 芝刈りは年に2〜3回でOK(成長が遅め)
- 肥料や水やりの頻度も少なくて済む
おすすめの用途
- 公園、法面、遊び場など「踏まれる環境」に強い
- DIYで気軽に芝張りしたい方にも向いている
高麗芝(コウライシバ)
特徴
- 野芝よりも葉が細かく、見た目が整っている
手入れの楽さ
- 成長はやや早めだが、年間を通して管理しやすい
- 春と秋の施肥、月1~2回の芝刈りで美観を維持可能
おすすめの用途
- 一般家庭の庭や和風ガーデン
- 適度な見た目と低メンテナンスのバランスを求める方に最適
一方で、以下の芝はやや手がかかります
- 姫高麗芝・・・美しいが、密度が高く頻繁な芝刈りと肥料が必要
- 西洋芝(寒地型)・・・年間を通じて緑を保つが、水・施肥・芝刈りの頻度が多い
まとめ:庭にぴったりの芝生で、理想のグリーン空間をつくろう
いかがでしたか?
芝生の種類や特徴をきちんと知っておくことで、あなたの庭にぴったりの芝を選ぶことができます。
そのため、「どんな気候に合っているか」「庭の使い方はどうするか」「どれくらい手入れできるか」を考えることが大切です。そして、自分のライフスタイルに合った芝を選ぶことで、手間をかけすぎず、きれいな庭を長く楽しむことができます。
まずは、あなたの庭に合う芝を見つけるところから、理想のガーデンライフを始めてみましょう!
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