「一年中グリーンを保ちつつ、目隠しや日よけも叶えたい」。
そんな洋風庭に最適なのが常緑樹の中木です。
この記事では、失敗しない選び方を3ステップで解説し、庭のテーマ別におすすめ樹種と配置アイデアを提案していきます。

庭づくりに役立つ具体例も交えて解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
常緑樹「中木」とは?洋風ガーデンで人気の理由
常緑樹の「中木」とは、高さおよそ2〜6mほどの樹木を指し、戸建て住宅の外観や庭とのバランスがとりやすいサイズ感が魅力です。
そのため、大きすぎず、小さすぎないので、シンボルツリーや庭のアクセントとして最適。とくに、洋風ガーデンでは“空間の主役”として選ばれることが多い樹種です。
特徴とメリット
1年中緑を楽しめる
落葉樹と違い、冬になっても葉を落とさないため、寒い季節でも庭が寂しくならず、景観を保てます。
外構とのバランスがよい
樹高2〜6mは住宅の1〜2階の高さと相性がよく、建物と調和しやすいサイズです。
機能性が高い
- 目隠し → 隣家や道路からの視線を自然に遮る
- 日よけ → 夏の日差しを和らげ、室内の快適性アップ
- 風よけ・防音 → 風の強い日や騒音対策にも効果的
そして、こうした実用性とデザイン性を兼ね備えていることから、洋風ガーデンで「中木の常緑樹」は人気を集めています。
失敗しない常緑中木の選び方:3ステップ
「素敵だな」と思って植えてみても、育たなかったり管理が大変で後悔するケースは少なくありません。そのため、常緑中木を選ぶときは、場所 → 目的 → 手間の順に考えると失敗を防ぐことができます。
STEP1:場所条件をチェック(必須)
まずは庭の環境を把握しましょう。
なぜなら、樹木の性質に合わない場所に植えると、すぐに弱ったり病害虫の被害を受けやすくなってしまうからです。
日照条件
- 日なた向き(オリーブなど)
- 半日陰でもOK(ソヨゴなど)
- 明るい日陰に強い(常緑ヤマボウシなど)
風向き
- 冬の北風や海風が強いエリアでは、耐寒性や耐塩害性のある種類を選ぶ
スペース確保
- 建物や電線、隣地から1〜1.5m以上空けると安心
- 将来の成長を考えた余裕が必要
👉 最初に“場所の条件”を明確にすることで、候補樹がぐっと絞れます。
STEP2:目的を決める(優先度A/B/C)
次に、「何のために植えるのか」をはっきりさせましょう。なぜなら、目的を決めておくことで、見た目だけで迷わなくなるからです。
A:目隠し
- 葉が密で、成長が早い樹種がおすすめ(シマトネリコ、プリペットなど)
B:日よけ
- 樹冠(枝葉の広がり)が大きく、夏場に木陰をつくってくれるタイプ(カシ類など)
C:景観性
- 花や実、葉色、樹形で季節感や個性を演出(常緑ヤマボウシ、オリーブ、フェイジョアなど)
👉 目的ごとにA/B/Cの優先度をつけると「この木なら自分の庭に合う」と判断しやすくなります。
STEP3:維持のしやすさで選別
最後に「長く付き合えるか」を考えます。なぜなら、最初は良くても、手間がかかりすぎるとストレスになりがちだからです。
強さ
- 耐寒・耐暑・病害虫に強い種類は管理がラク
剪定頻度
- 放任でも樹形が乱れにくいか
- 年1回以上必要か
生活動線への影響
- 落ちる実や花の香りが玄関・洗濯物干し場・駐車スペースに影響しないか
👉 この視点を加えると「おしゃれ+実用+維持しやすさ」のバランスが取れます。
場所→目的→手間の順でブレない選択を
迷ったら必ず
- STEP1:場所
- STEP2:目的
- STEP3:手間
の順でチェックするのがコツ。そのため、感覚で選んでも、最終的にこの流れで確認すれば失敗がぐっと減ります。
とくに、配置を考えるときは、「庭でどう過ごしたいか」をイメージするとより効果的です。
広葉樹と針葉樹の使い分け
庭木を選ぶときに大切なのが「広葉樹」と「針葉樹」の特徴を理解し、用途に合わせて使い分けることです。そして、どちらにも長所があり、組み合わせ方次第で庭の印象や機能性が大きく変わります。
広葉樹:日陰づくり&四季感を演出
葉が広いので日陰をつくりやすい
- 夏は木陰ができ、涼しく過ごせます。
- 冬は葉が落ちる落葉広葉樹なら、日差しを取り込んで室内を暖かく保つ効果も…
花や実で季節感を楽しめる
- 春の新緑、夏の濃い緑、秋の紅葉、冬の枝ぶりと、1本で四季の移ろいを感じられます。
庭のアクセントに最適
- 常緑ヤマボウシやソヨゴなどは一年中緑を楽しめつつ、花や実で彩りもプラス。
- シンボルツリーとして人気です。
👉 庭を「季節ごとに変化する景色」にしたい方におすすめです。
針葉樹:プライバシー確保&構造美
葉が密で目隠しに最適
- 年中緑が茂るため、隣家や道路からの視線を自然に遮ってくれます。
- 防風・防音の効果も高く、実用性抜群。
ライン取りがしやすい
- 生垣や列植にすると、スッと伸びる直線的な樹形が建物や外構と調和。
- 洋風・モダンな庭に似合います。
管理次第で雰囲気を変えられる
- 自然樹形のコニファーで柔らかくナチュラルに
- 刈り込み可能なカイヅカイブキでフォーマルに
👉 庭を「落ち着いたプライベート空間」にしたい方におすすめです。
上手な使い分けのコツ
- 広葉樹・・・庭に変化や彩りを与える役割
- 針葉樹・・・空間を守り、構造を整える役割
このように、この2つを組み合わせることで、見た目の美しさと暮らしやすさを両立できます。
例えば、リビング前には広葉樹で木陰をつくり、隣地との境界は針葉樹で目隠し…といった使い分けが理想的です。
おすすめ常緑「中木」:洋風ガーデンに合う厳選リスト
常緑の中木は、洋風ガーデンを一気に洗練された印象に変えてくれる存在。
ここでは、ナチュラル〜リゾート感を演出できる広葉樹と、モダン〜クラシックな雰囲気を生む針葉樹をバランスよくピックアップしました。
とくに、樹種ごとの特徴を理解して選ぶと、植えた後の満足度がぐっと高まります。
広葉樹(ナチュラル〜リゾートにぴったり)
針葉樹(モダン〜クラシックな雰囲気に)
置き場別のおすすめ相性
玄関前
ソヨゴ/常緑ヤマボウシ
- 上品で清潔感があり、お客様を迎えるシーンにぴったり。
テラスの日よけ
オリーブ/シマトネリコ
- 広がる樹冠が夏の日差しをやわらげ、屋外リビングの快適性をアップ。
道路側の目隠し
イチイ/コニファー類
- 葉が密で通年緑を保ち、視線を遮りながら防音効果もプラス。
このように、常緑の中木は、庭の表情を整える“縁の下の力持ち”。
そのため、玄関前に植えればおしゃれな第一印象を演出し、テラス脇なら日よけに、道路側なら防音・目隠しに…と、置き場所によって役割は多彩です。
配置とデザインのコツ
常緑中木は、配置の仕方と組み合わせる素材で庭全体の雰囲気が大きく変わります。そのため、洋風ガーデンのテイスト別に、代表的なパターンをご紹介していきます。
クラシック欧風:シンメトリーで重厚感
配置例
- 玄関の左右にソヨゴ×2本、またはコニファー×2本を対称に配置
下草・縁取り
- 低木のボックスウッドで縁をつくり、フォーマルな印象に
効果
- シンメトリー構成は重厚感が出やすく、ヨーロッパの邸宅のような雰囲気に。
- きちんとした印象を与えたい家にぴったり。
ナチュラルモダン:軽やかな群植
配置例
- シマトネリコを数本まとめて植え、自然林のような雰囲気に
下草・アクセント
- 株元にハーブ(ローズマリーやラベンダー)を植えて香りと彩りをプラス
効果
- 抜け感のある樹形とハーブの柔らかな動きが調和し、都会的でありながら癒しを感じる空間に。
- 風通しの良い庭におすすめ。
リゾートスタイル:シンプル&非日常感
配置例
- オリーブを1本シンボルツリーとして中央やテラス脇に配置
素材の組み合わせ
- 白砂利+テラコッタ鉢+石材など、2〜3種類に統一
効果
- 余白を活かし、シンプルながらも南欧風リゾートの非日常感を演出。
- 照明を合わせれば夜の雰囲気も一段とおしゃれに。
目隠しデザインのポイント
洋風ガーデンでは、「面で隠すより“抜けを残す”」のが上級テクニック。
- 完全に塞ぐと圧迫感が出やすい
- 視線が気になる部分だけを遮り、他は透け感を残すと庭が広く見える
例えば、「隣家の2階窓に対して常緑樹を配置し、足元はあえて開放する」といった工夫で、開放感とプライバシー確保を両立できます。
植え付け・初期管理チェックリスト
常緑中木を植えるときは、最初のひと手間がその後の成長を大きく左右します。とくに、植え付け直後の1〜2ヶ月は木が根付く大切な時期。
そのため、以下のポイントを押さえておくと、失敗がぐっと減ります。
1. 植え穴を掘る
サイズ
- 根鉢の2倍の直径、深さは根鉢より+5cm程度が目安
理由
- 大きめに掘ることで根が広がりやすく、活着がスムーズに進みます。
2. 用土改良
腐葉土+緩効性の元肥を、掘り出した土とよく混ぜ合わせる。
ポイント
- 植え穴の底に直接肥料を入れるのはNG(根が傷む原因に)。
- 必ず土に混和して使うこと。
3. 植え付け高さ
深植えNG
- 地際(根元の土と幹の境目)が、地面より少し高くなるように調整
理由
- 深植えすると根腐れや成長不良の原因になるため注意。
4. 支柱の設置
二本添え支柱を使って、1〜2年間はしっかり固定。
理由
- 新しい根が張るまでは風に弱く、倒れたり傾くと活着不良につながるため。
5. 水やり
植え付け直後〜1〜2ヶ月は、表土が乾いたらたっぷり与える。
ポイント
- 毎日少量ではなく「乾いたらしっかり」の方が根が深く張ります。
6. マルチング
根元にバークチップやウッドチップを敷く。
効果
- 乾燥防止・雑草抑制・見た目もナチュラルに整う
- 夏の蒸れ防止にも役立ちます
初期管理は“根を守る”が基本
植え付けのコツは、根を守り、環境に馴染ませること。そして、この時期にしっかりケアしておくことで、その後はぐんと育ちやすくなります。
よくある質問(FAQ)
常緑中木を選ぶときに多いのが、「狭い庭でも大丈夫?」「手入れは大変?」「日当たりが強い場所に合う木は?」といった具体的な疑問です。
ここでは、初心者の方がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説していきます。
そのため、実際に植える前にチェックしておくことで、失敗を防ぎ、自分の庭にぴったりの1本を見つけやすくなります。
Q1. 狭い庭でも中木は植えられる?
A. 植えられます。
ポイントは、高さと樹冠のコンパクトさを重視すること。
例えば、ソヨゴ(雌株)やオリーブ‘チプレッシーノ’のようにスリムな樹形の品種なら、狭い庭でも圧迫感を与えずに植えられます。
- 離隔の目安・・・
建物や塀から1〜1.5m程度あけると、将来の枝張りにも余裕ができ安心。 - 工夫・・・
株元に低木やグランドカバーを組み合わせれば、省スペースでも立体感ある植栽が楽しめます。
Q2. メンテナンスが少ない樹種は?
A. 樹形が自然に整う種類がおすすめです。
ソヨゴは自然樹形でまとまりやすく、ほとんど剪定をしなくても見栄えが保てます。そして、イチイは病害虫に強く、耐陰性もあるため管理がラク。
一方で、シマトネリコは人気の高い中木ですが、成長が早い=放置すると茂りすぎるため、年1回の剪定を目安にすると美しい姿を維持できます。
- ラクさ優先・・・ソヨゴ・イチイ
- デザイン性と軽やかさ優先・・・シマトネリコ(ただし年1回お手入れを)
Q3. 西日が強い場所でも大丈夫?
A. 相性の良い樹種を選べばOKです。
西日や夏の強い日差しが当たる場所では、耐暑性に優れたオリーブや耐久性のあるコニファー類が安心。とくに、葉焼けや水切れを起こしにくく、安定して育ちます。
ただし、夏場は乾燥ストレスを受けやすいので、株元にバークチップやウッドチップを敷いてマルチングするのがおすすめ。これにより、乾燥を防ぎ土の温度も安定します。
-
西日対策の一工夫・・・
鉢植えにして、夏は半日陰に移動できるようにするのも一案。
まとめ:常緑中木で“機能×デザイン”を両立
いかがでしたか?
常緑中木は、庭をおしゃれに見せるデザイン性と、暮らしを快適にする実用性の両方を叶えてくれる頼もしい存在です。
要点
- 場所条件→目的→手間の順で選ぶと失敗しない
- 洋風にはオリーブ/シマトネリコ/ソヨゴ/常緑ヤマボウシが鉄板
- 目隠し=針葉樹、日よけ=広葉樹、で使い分ける
- 初期は支柱・水やり・マルチングで活着を促進
今日からできる行動
- 植栽予定地の日照・風・距離をメモ
- 目的A/B/Cを決め、候補樹種を2〜3種に絞る
- 苗・支柱・マルチ材をカートインして植え付け日を確定
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