南国の彩りを添えるブーゲンビリアとは?
庭に華やかさをプラスしたいと考えている方におすすめなのが、ブーゲンビリアというつる性の花木です。なぜなら、南国を思わせる鮮やかな色彩とボリューム感のある咲き姿は、庭の印象を一気に明るくし、見る人の心を惹きつけてくれるからです。
しかし、「育てるのが難しそう…」と思うかもしれませんが、実は日当たりと冬越しのポイントさえ押さえれば、初心者でも十分に育てられる植物です。
また、地植えにも鉢植えにも対応でき、フェンスやアーチに絡ませて立体的な演出も楽しめます。
そこで、この記事では、品種選びから植え付け、育て方、冬の管理方法までをステップバイステップでやさしく解説していきます。

ガーデニング初心者の方にもわかりやすい内容になっていますので、ぜひ参考にして、美しい庭づくりに役立ててください。
ブーゲンビリアってどんな植物?
ブーゲンビリアは南アメリカ原産のつる性植物で、トロピカルな雰囲気を持つガーデンによく合う華やかな植物です。
日本では主に観賞用として鉢植えや庭木、フェンスのグリーンカーテンとして親しまれています。
そして、最大の特徴は、まるで花のように見える色鮮やかな部分(苞/ほう)。これは実際には葉が変化したもので、中央にある小さな白い花が本当の花です。
主な特徴
開花時期
一般的には5月〜11月頃にかけて長く花を楽しむことができます。そのため、温暖な地域や室内では年中開花することもあります。
花色
苞の色はとてもカラフルで、ピンク・紫・赤・白・オレンジ・黄・マゼンタなど多彩。また、品種によって葉の斑入りタイプもあり、見た目に変化を持たせられます。
育て方・性質
- 日当たりが大好き!そのため、日光が足りないと花つきが悪くなるので、日なたに置くのが基本です。
- 乾燥に強く、多湿が苦手。そのため、水やりは「乾いたらたっぷり」が目安です。
- つるを伸ばす性質があり、アーチやフェンスに誘引すると美しい壁面を演出できます。
- 耐寒性はあまりなく、5℃以下になると傷みやすくなります。そのため、冬は室内やビニール温室での管理が安心です。
名前の由来
「ブーゲンビリア(Bougainvillea)」の名前は、18世紀にこの植物を発見したフランス人探検家ブーガンヴィル氏にちなんで名付けられたといわれています。
【ステップ1】庭に合った品種を選ぼう
ブーゲンビリアと一口に言っても、実は色や樹形の異なるたくさんの品種があります。
そのため、育て方や仕立て方に少しずつ個性があるので、お庭のスペースや日当たり、飾り方のイメージに合ったものを選ぶのが大切です。
初心者向けおすすめ品種
Point:迷ったら「サンデリアーナ」がおすすめ!
サンデリアーナは、環境の変化に強くて失敗しにくいため、特に初めてのブーゲンビリア栽培にぴったり。また、鉢植えでコンパクトに育てることで、冬場も室内に取り込みやすく、管理も楽ちんです。そして、花の数も多く、満開になるとまるで花の滝のような華やかさが楽しめます。
【ステップ2】ブーゲンビリアを植える場所を決めよう
ブーゲンビリアを元気に育て、美しく花を咲かせるためには、適した植え場所を選ぶことがとても大切です。そのため、見た目だけでなく、植物が快適に過ごせる環境を整えてあげましょう。
適した植え場所の条件
日当たりの良い場所(1日6時間以上が目安)
ブーゲンビリアは非常に日光を好む植物です。そのため、最低でも1日6時間以上、できれば朝から夕方までしっかり日が当たる南〜西向きの場所が理想です。
また、日照が不足すると花つきが悪くなり、葉ばかりが茂ることもあります。
水はけの良い土壌
ブーゲンビリアは乾燥には強い一方、過湿に弱い性質を持っています。そのため、根腐れを防ぐためにも水はけのよい土づくりが重要です。
改善ポイント
- 粘土質の土・・・腐葉土・赤玉土・川砂などを混ぜて排水性を向上させる
- 鉢植えの場合・・・鉢底石をしっかり敷き、通気性のある土を使用する
冬の寒さ・霜への配慮
ブーゲンビリアは寒さに弱く、5℃以下の気温でダメージを受けやすい植物です。とくに、霜が降りる地域では以下のような対策が必要です。
- 霜の当たらない南側の軒下などに植える
- 鉢植えにして、冬場は屋内や温室に移動できるようにする
地植えと鉢植え、どちらがよい?
このように、適切な場所に植えることで、ブーゲンビリア本来の色鮮やかで長く咲く花姿をたっぷり楽しめます。
そのため、まずはお庭の日照・土壌・気候条件をチェックしてみましょう!
【ステップ3】植え付けのタイミングと手順
植え付けのベストシーズン
ブーゲンビリアの植え付けに適しているのは、気温が安定して暖かくなってくる4月〜6月ごろ。
なぜなら、この時期は植物の生育も活発で、根が土にしっかりと活着しやすいからです。そのため、失敗が少なく育ちやすいです。
地植えの手順(初心者向けのポイント付き)
1.植える場所の土を深さ30cmほど掘り返す
根がしっかり張れるよう、広く・深めに掘るのがポイント。
2.掘った土に腐葉土や元肥を混ぜて改良する
水はけを良くし、栄養を補うために、腐葉土・堆肥・緩効性肥料を混ぜ込みます。
(目安:腐葉土2〜3割、肥料は少なめに)
3.苗をポットからそっと外し、根をほぐして植える
根が巻いていたら、軽く根をほぐしてから植え付け。また、株元を埋めすぎないよう注意しましょう。
4.軽く土をかぶせて手でしっかり押さえ、固定する
土をぎゅっと押さえることで、空気を抜いて根と土を密着させます。
5.支柱やフェンスなどの近くに植えておく
つるを絡ませるため、植え付けの段階で誘引方向を決めておくと後が楽です。
6.たっぷりと水やりをする
植え付け後はたっぷり水を与え、最初の1週間は乾かさないように管理しましょう。
(根が活着するまでは水切れに注意)
鉢植えの場合のポイント
ブーゲンビリアは鉢植えでも育てやすく、移動もしやすいので寒冷地や限られたスペースのガーデンにおすすめです。
鉢の選び方
- 通気性・排水性の良い鉢を選びましょう(例:テラコッタ鉢や素焼き鉢)。
- 底穴のある鉢で、水はけを確保することが大切です。
用土について
- 水はけの良い草花用の培養土でOK。そのため、市販の「花・野菜用」「観葉植物用」などでも可。
- 自作するなら赤玉土(小粒)5:腐葉土3:軽石または川砂2などが理想的。
植え付けのコツ
- 苗の根鉢を軽くほぐし、鉢の中心に植えます
- 鉢の縁から2〜3cm下までの高さで土を入れ、水やりのスペースを確保します
- 植え付け後は底から水が流れ出るまでたっぷり水を与えましょう
そして、植え付けが終わったら、つるの伸び方に合わせて支柱やフェンスに誘引しながら管理していくと、より美しく仕立てることができます。
【ステップ4】毎日の育て方のコツ
ブーゲンビリアを庭で健康に、そしてたくさん咲かせるためのコツを押さえておきましょう。そして、日々のお世話が、長く花を楽しむ秘訣です。
水やりのポイント
「乾いたらたっぷり」が基本
ブーゲンビリアは乾燥に強く、過湿に弱い植物です。そのため、水を与えすぎると根腐れの原因になるので、毎日与える必要はありません。
土の表面が白っぽく乾いてから、たっぷり与える
とくに、鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出るくらいしっかり与えるのがポイントです。
夏の水やりタイミング:朝か夕方
日中の暑い時間帯に水をかけると、土が熱くなって根を傷めることがあるため注意しましょう。
肥料の与え方
生育期(春〜秋)は月1回を目安に
液体肥料または緩効性の固形肥料を使って、継続的に栄養補給を行います。
開花中は“リン酸”を意識
リン酸は花や実をつけるのを助ける栄養素なので、「リン酸入り」の表記がある肥料を選ぶと◎
(N-P-Kで表記される「P」がリン酸です)
また、肥料の与えすぎは逆効果になることもあるので、規定量を守ることが大切です。
剪定と誘引のコツ
花が終わったら“軽く切り戻し”を
花後の枝を2〜3節ほど切り戻すことで、枝数が増え、次の開花がより華やかになります。そして、この作業をこまめに行うことで、株姿もコンパクトに保てます。
伸びたつるはこまめに誘引
ブーゲンビリアはつる性植物なので、フェンス・アーチ・支柱などに誘導してあげることで、立体的で見ごたえのある仕立てができます。
こんな時はどうする?
このように、日当たり・水やり・剪定の3つを意識するだけで、ブーゲンビリアは驚くほどたくさんの花を咲かせてくれます。
そして、毎日少しずつ観察しながら、植物との会話を楽しんでみてくださいね。
【ステップ5】冬越し対策を忘れずに!
ブーゲンビリアは南国原産の植物のため、寒さにとても弱い性質があります。そのため、気温が下がり始める秋の終わりから、早めの冬越し準備を始めることが大切です。
とくに、寒冷地では防寒対策をしないと枯れてしまうこともあるため、しっかり備えましょう。
地植えの場合の冬越し対策
気温5℃以下になる地域では、以下の対策を!
1.株元を腐葉土・バークチップで覆う(マルチング)
根が冷えないよう、株のまわりに厚めに腐葉土やバークチップを敷いて保温しましょう。
※10〜15cm程度の厚みが理想です。
2.株全体を不織布や寒冷紗でカバーする
防寒用の不織布・ビニール・園芸用の「霜よけシート」などを使って、霜や冷風から植物全体を守りましょう。
3.霜がよく降りる場所では、鉢上げして室内管理も検討
地植えでも小さい株の場合、秋に掘り上げて鉢に植え替え、冬の間だけ室内に避難させる方法もあります。
鉢植えの場合の冬越し対策
気温が10℃を下回る前に、次の準備を!
1.室内の明るく暖かい場所に移動
冷え込む前に、日中よく日が当たる窓際などに移動しましょう。
そして、南向きの窓辺がおすすめですが、夜間に冷気が入る場合は夜間だけカーテンや段ボールなどで保温しましょう。
2.室内では水やりを控えめに
成長が止まる冬は、乾燥気味の管理が基本です。そのため、土の表面がしっかり乾いてから少量ずつ水を与えましょう。
※過湿は根腐れや病気の原因になります。
3.暖房の風が直接当たらないように注意
エアコンやストーブの風は植物を乾燥させてしまいます。そのため、直接風が当たらない場所に置くのがポイントです。
冬越しのチェックリスト
また、冬をしっかり乗り越えたブーゲンビリアは、翌春からまた勢いよく新芽を伸ばし、夏にかけて華やかな花を咲かせてくれます。
そして、季節に合わせた管理を心がけて、毎年元気な姿を楽しみましょう。
【ステップ6】よくあるトラブルとその対処法
ブーゲンビリアは比較的丈夫な植物ですが、育てていると花が咲かない・葉が落ちる・害虫が発生するなど、いくつかのトラブルに出会うこともあります。
そのため、早めに原因に気づいて対処することで、美しく健康な状態をキープできます。
花が咲かない…
主な原因
肥料の与えすぎ(特にチッ素分)
葉ばかり茂り、花が咲きにくくなる「徒長状態」になります。
日照不足
日光が足りないと、つぼみがつかず花が咲きません。
対処法
一度しっかり剪定を行い、枝数を整理する
混み合った枝を間引いて風通し・日当たりを良くすると、花芽がつきやすくなります。
肥料の種類を見直す
チッ素(N)が多すぎない肥料を選び、リン酸(P)多めの花用肥料に切り替えましょう。
日照時間を確保
1日6時間以上の直射日光が理想。鉢植えの場合は日当たりの良い場所へ移動を。
葉が落ちる…
主な原因
- 寒さによるストレス(特に冬場)
- 水切れや過湿によるダメージ
- 急な環境の変化(室内外の移動など)
対処法
冬場は室内の明るく暖かい場所に移動
5℃以下になると落葉が進むので、早めの屋内移動をおすすめします。
水やりを見直す
土が乾ききってから与える「メリハリのある水やり」に調整。とくに、冬は控えめに管理。
落葉後でもあきらめない!
落葉しても根が生きていれば、春に新芽が出るので焦らず様子を見ましょう。
害虫が発生する…
よく見られる害虫
- アブラムシ・・・新芽やつぼみに群がり、汁を吸って弱らせる
- ハダニ・・・葉の裏に付いてかすり状の被害が出る。乾燥時期に多発
- カイガラムシ・・・固い殻を持ち、薬剤が効きにくい厄介者
対処法
発見次第、速やかに駆除
アブラムシやハダニは、園芸用殺虫スプレーで早めに対処。また、自然派なら木酢液やニームオイルも◎
葉裏のチェックを習慣に
害虫は葉の裏やつぼみに潜みがち。定期的な観察が大切です。
風通しを良くすることで予防効果あり
混み合った枝葉は剪定して風通しを確保すると、害虫が付きにくくなります。
異変に早く気づくのがトラブル対策の第一歩!
「なんだか様子がおかしいな?」と思ったときこそ、毎日の観察が活きてくる瞬間です。
そして、ブーゲンビリアは、正しく対処すれば元気を取り戻す力のある植物なので、焦らず見守っていきましょう。
【ステップ7】庭で映えるブーゲンビリアの楽しみ方
ブーゲンビリアは、花のように見えるカラフルな苞(ほう)がとてもフォトジェニックで、庭に植えると一気に南国リゾートのような雰囲気を演出できます。
とくに、つるを這わせて立体的に育てることで、その魅力がさらに引き立ちます。
庭での楽しみ方
庭では、フェンス沿いにブーゲンビリアを誘引し、自然なアーチ状のカーテンのように仕立てみてはどうでしょうか?朝に花の下を通ると、ふんわりとやわらかな光が透けてとても気持ちがよく、まるでバカンス気分になります。
そして、色鮮やかな花々が揺れるたびに、元気と癒しをもらえる空間にすることができます。
こんな楽しみ方もおすすめ!
① トレリスやアーチを使って立体的に魅せる
- ブーゲンビリアは自立せず、つるを伸ばすタイプなので、トレリス・アーチ・フェンスとの相性が抜群。
- 玄関横にアーチを設けることで、華やかな“花のゲート”ができあがります。
- 小さめの鉢植えでも、支柱を使って円柱状やドーム型に仕立てるのもおすすめです。
② 白い壁との組み合わせでフォトジェニックに
- ピンクやパープルのブーゲンビリアは、白壁に映える定番カラー。
- 地中海風の白い塗り壁の近くに植えれば、写真映えする“海外風ガーデン”に早変わり!
- ベンチを置けば、まるで南フランスやギリシャのカフェテラスのような風景に。
③ 香りのあるハーブとの混植で五感を楽しむ
- ブーゲンビリア自体には強い香りはありませんが、ローズマリーやラベンダーなどの香りの良い植物と組み合わせることで、香りのある庭に。
- とくにシルバーリーフ系のハーブは色の対比も美しく、ブーゲンビリアの鮮やかさを引き立てます。
- ナチュラルガーデンにも、リゾート風にもアレンジしやすい組み合わせです。
アレンジのヒント
ブーゲンビリアは、空間をダイナミックに彩る植物として非常に優秀です。そのため、立体的な構造物と組み合わせたり、色や香りの演出を加えたりすることで、個性的で癒しのあるガーデンが完成します。
さあ、自分だけの特別な庭づくりに、ぜひブーゲンビリアを取り入れてみてください。
まとめ:あなたの庭にも、ブーゲンビリアの彩りを
いかがでしたか?
ブーゲンビリアは「難しそう」と思われがちですが、日当たりと冬の管理さえ押さえれば、初心者でも驚くほど華やかな庭づくりができます。
庭を見て「わあ、きれい!」と感じる瞬間が、毎日の癒しになるはずです。
まずはひと鉢から始めてみてくださいね。
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