お庭をもっと素敵にしたいと考えている方へ、美しい芝生はその第一歩です。
この記事では、「芝生を張る時期」について詳しく解説していきます。
そして、さらに張り方や手入れ方法、日本の気候に合う芝生の種類まで、失敗しないためのポイントをわかりやすくお届けします。

綺麗な芝生はとても美しいものです。ぜひ参考にしてください。
芝生を張るベストな時期とは?
芝生を美しく育てるためには、「いつ芝生を張るか」というタイミングが非常に重要です。
なぜなら、適切な時期に芝生を張ることで、根付きがよくなるからです。これにより、病害虫や乾燥にも強い元気な芝生になります。
そして、特におすすめの時期は、春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)の2つです。ここでは、それぞれの時期の特徴と張る際のポイントを詳しくご紹介していきます。
春(3月〜5月)は芝生の成長スタートに最適
春は芝生にとって、年間でもっとも勢いよく成長を始める時期です。とくに、高麗芝などの暖地型芝生にとっては、春の気候が非常に適しています。
春に芝生を張るメリット
気温が安定している
15〜25℃前後で気温が推移するため、芝生の活着(根付くこと)や成長に理想的な条件がそろっています。
適度な降雨がある
春は雨も適度に降るため、水やりの頻度が少なくて済み、管理がしやすいのが特徴です。
初夏までにしっかり根を張れる
早めに張れば、梅雨や初夏までに十分な成長期間が確保でき、夏の高温にも耐えられる芝生になります。
注意点
- 雑草の発生も増える時期なので、芝張り前にしっかり雑草を除去しておくことが重要です。
- 春先の寒の戻りには注意。地温が10℃以上になるタイミングを見計らって張りましょう。
秋(9月〜11月)は安定した気候で根付きやすい
秋は気温が落ち着き、日差しがやわらかくなります。そのため、芝生を張るには非常に良い環境です。そして、春に比べて雑草の心配が少ないのもメリットのひとつです。
秋に芝生を張るメリット
気候が穏やかで芝に優しい
15〜20℃前後と芝生にとって快適な気温で、ストレスなく根を伸ばしやすくなります。
湿度が安定し乾燥しにくい
秋は空気中の湿度も適度に保たれており、水切れのリスクが低く管理がしやすい時期です。
冬への備えができる
秋にしっかり根付いていれば、冬の寒さにも耐えられる丈夫な芝生に育ちます。そして、翌春からすぐに美しい緑を楽しめるのも魅力です。
注意点
- 芝生が根付くまでに最低でも1カ月の成長期間が必要です。そのため、霜が降りる前に張り終えるようにしましょう。
- 日照時間が短くなるため、できるだけ日当たりのよい場所に張ることが大切です。
芝張りは「春か秋」に!
このように、どちらの時期も、芝生の根付きと成長をサポートするのに最適な環境が整っています。そのため、気候や生活スタイルに合わせて、春か秋に芝張りを計画することをおすすめします。
芝生張りの準備と手入れ方法
芝生を張ってから「緑がまばら」「すぐに枯れてしまった」と後悔しないためには、
張る前の下準備と張った後の丁寧なケアが何よりも重要です。
そのため、ここでは、美しい芝生を長く楽しむための基本となる準備と手入れ方法を、わかりやすくご紹介していきます。
1. 場所選びの重要性|芝生の健康は環境で決まる
芝生を元気に育てるには、まず「どこに張るか」がポイントです。
そのため、日当たり・水はけ・風通しの3つの条件をしっかり確認しましょう。
日当たり:1日6時間以上が理想
- 高麗芝やティフトン芝などの暖地型芝は日光を好む品種です。
- 日陰が多い場所では、芝が薄くなる・病気が発生しやすくなるといった問題が起きやすくなります。
水はけ:排水性の良い場所を選ぶ
- 芝生は水が溜まりやすい土壌を嫌います。これは、根腐れやカビの原因になるからです。
- 地面に軽く穴を掘って水を入れ、30分以内に浸透すれば問題ありません。
風通し:通気性の良さで病害虫を防ぐ
- 風通しの良い環境は蒸れや湿気を防ぎ、病害虫のリスクを軽減してくれます。
- 生垣や壁が密集した場所は、可能であれば風の通り道をつくる工夫をしましょう。
2. 土壌の準備|芝生の根がしっかり育つ土台を整える
芝生の張り替え・新設の際には、土壌の状態を整えることが美しい芝生づくりの第一歩です。
排水チェックを行う
- 水をまいて30分以内に浸透しない場所は排水不良です。
- 対策として、砂・腐葉土・軽石などを混ぜて改善しましょう。
土壌改良の方法
- 粘土質(土が重くベタつく)・・・
川砂や腐葉土、堆肥を混ぜて排水性を向上。 - 砂質(土がサラサラで乾燥しやすい)・・・
バーク堆肥やピートモスなどの有機物を加えて保水性をアップ。
pHの調整(酸度の調整)
- 芝生に適したpHは6.0〜7.0の弱酸性〜中性。
- 土壌が酸性に偏っている場合は、苦土石灰を混ぜて中和しましょう(1㎡あたり約100gが目安)。
3. 水やりのコツ|根にしっかり水を届ける
水やりは芝生の健康を保つ上で最も重要な日々の作業です。
最適なタイミング
-
早朝または夕方がベスト(特に夏場は日中の水やりは蒸れや焼けの原因になります)。
正しい水やりの方法
- ホースのシャワーやスプリンクラーで霧状に、じっくりと与えるのがポイント。
- 水が地中10cmほどまで届くようにすることで、芝生が深く根を張り、乾燥に強くなります。
季節ごとの水やり頻度
4. 肥料の適切な使用方法|芝を元気に育てる栄養補給
肥料は芝生の色つや・密度・耐病性を高めるために欠かせません。そのため、適切な成分と時期に施肥することが大切です。
芝生に必要な3大成分
- 窒素(N)・・・葉の成長を促進。青々とした芝に。
- リン(P)・・・根の発達を助ける。芝の活着や定着に効果的。
- カリウム(K)・・・病害虫や乾燥に強くする。
施肥のタイミングと頻度
- 春(3月〜5月)・・・芽吹きの時期に1〜2回。
- 秋(9月〜10月)・・・冬越しの体力をつける目的で1回。
肥料のタイプと使い分け
- 緩効性肥料(粒状)・・・効果がゆっくり続く。初心者向けで手間が少ない。
- 即効性肥料(液体)・・・すぐに効果が現れる。部分的な色落ちやトラブル対策におすすめ。
準備と手入れが芝生の美しさを左右する
芝生を美しく育てるためには、「張る時期」だけでなく、張る前の土壌や環境の整備、張った後の適切な水やりや施肥が欠かせません。
- 張る前に日当たり・水はけ・通気性をチェック
- 土壌のpHや排水性を改善して、根が育ちやすい環境をつくる
- 水やりと肥料は季節に応じて適切な量を継続的に与える
こうしたひと手間が、緑のじゅうたんのような美しい芝生をつくる最大のカギとなります。
芝生のメンテナンス方法
芝生は「張ったら終わり」ではありません。
なぜなら、張ったあとのメンテナンス次第で、見た目・健康状態・耐久性に大きな差が出るからです。
ここでは、芝生の手入れの中でも特に重要な「刈り込み」「施肥」「雑草対策」「病害虫の防除」について詳しく解説していきます。
1. 刈り込みの重要性|密度の高い美しい芝に育てる秘訣
芝生の刈り込み(芝刈り)は、見た目を整えるだけではありません。新芽の成長促進・密度アップ・病害虫の予防にもつながる重要なメンテナンス作業です。
適切な刈り高さの目安
- 芝を短く刈りすぎると、光合成が十分にできず弱ってしまうので注意。
- 逆に放置しすぎると、通気が悪くなり病気や害虫の温床になるため適度な刈り込みが必要です。
季節ごとの刈り込み頻度
2. 肥料で元気UP|緑の芝を育てる栄養補給
芝生は生きた植物。土壌の栄養分が足りなくなると、葉色が薄くなったり、成長が鈍化してしまいます。そのため、定期的な施肥で、元気な芝生を維持しましょう。
散布方法のポイント
- 散布機を使用すると、肥料をムラなく均一に撒くことが可能です(特に広い面積におすすめ)。
- 手撒きの場合も、交差するように2方向から均一に撒くと失敗が少なくなります。
肥料の種類とタイミング
- 緩効性肥料(粒状)・・・長くゆっくり効く。初心者向き。
- 即効性肥料(液体)・・・すぐに効きたい時やトラブル対応に。
施肥後の注意点
必ずたっぷりと水やりをして、肥料を地中に浸透させましょう。なぜなら、水やりを怠ると、肥料やけ(根が焼ける現象)を起こすことがあるからです。
3. 雑草との戦い|美しい芝を守るための対策法
雑草が生えると、芝生の美観が損なわれるだけでなく、栄養や水分を奪い合って芝が弱る原因にもなります。
小さい雑草は「手作業」で
- 雑草が少ないうちは、根からしっかり引き抜くことが最も確実な方法です。
- 除草後は穴があいた場所に目土を入れて整地するとよいでしょう。
除草剤の使い分け
雑草を「生えにくくする」予防策
- 芝生の密度を高めることが最大の予防策。芝で地表を覆えば、雑草の種が入りにくくなります。
- 定期的な刈り込みと施肥が、健全で雑草に負けない芝生を育てるカギです。
4. 病害虫の防除|見えない敵から芝生を守る
芝生の健康を脅かすのは、雑草だけではありません。そのため、病気や害虫の被害も見逃せないリスクです。
よくある芝生の病気
主な害虫と特徴
効果的な対策方法
- 殺菌剤・殺虫剤の適切使用・・・
被害が確認されたら、芝生用の薬剤を選び、用法・容量を守って使用。 - エアレーション(穴あけ)・・・
地中に空気を送り込んで、根の呼吸と通気性を改善。 - サッチ除去(刈りカスや枯草の掃除)・・・
病気の原因になる「サッチ」は、春・秋に専用レーキで取り除くのが効果的。
定期的なメンテナンスでいつでも青く美しい芝に
芝生の美しさと健康は、「張った後の手入れ」で決まります。
- 刈り込みで密度アップ&病気予防
- 適切な施肥で色つやと成長をサポート
- 雑草と病害虫の早期発見・早期対応が肝心
- 定期的なエアレーション・サッチ除去も忘れずに
このように、これらをコツコツ続けることで、1年を通して美しく保てる芝生が手に入ります。
日本の気候に適した芝生の種類とは?
日本は高温多湿な夏と寒冷な冬がある気候です。
そのため、芝生選びにおいては「暑さ・寒さに強く、管理がしやすい品種」を選ぶことが大切です。
ここでは、日本の庭や公共施設などで広く使用されている主要な芝生4種を、それぞれの特徴と育て方とともにご紹介していきます。
高麗芝(こうらいしば)の特徴と育て方
特徴
- 日本で最も一般的な芝生品種
- 暖地型芝の代表で、暑さと乾燥に非常に強い
- 細く硬めの葉で、見た目はすっきりとした印象
- 地面をしっかり覆うため、雑草の侵入を抑える効果も期待できる
向いている場所・条件
- 日当たりがよい庭や公園
- 温暖〜中間地向け(北海道など寒冷地は不向き)
育て方のポイント
- 日照・・・1日6時間以上の日当たりが必要
- 水やり・・・根が深く、乾燥にも比較的強い
- 刈り込み・・・春〜秋にかけて月2〜4回(草丈2〜3cmをキープ)
- 冬は休眠して黄変するが、春になると再び緑に戻る
姫高麗芝(ひめこうらいしば)の特徴と育て方
特徴
- 高麗芝の改良種で、葉が柔らかく密度が高い
- 見た目が美しく、素足で歩いてもチクチクしにくい
- 成長がやや遅く、手入れの頻度が少なくて済む
向いている場所・条件
- 子どもやペットが遊ぶスペース、観賞用の庭
育て方のポイント
- 日照・・・日当たりのよい場所が理想(半日陰でも育成可能)
- 水やり・・・乾燥しすぎないよう注意(週2〜3回が目安)
- 刈り込み・・・月1〜2回でOK(草丈2〜3cm)
- 肥料・・・春と秋に緩効性肥料を与えると美しさが長持ち
TM9(ティーエムナイン)の特徴と育て方
特徴
- トヨタ自動車が開発した省メンテナンス型の高麗芝改良品種
- 成長スピードが遅く、刈り込みや水やりの手間が大幅に軽減
- 葉が細くて柔らかく、見た目も非常に美しい
- 高麗芝と同じく、強い耐暑性と適度な耐寒性を持つ
向いている場所・条件
- 庭の管理をなるべく楽にしたい方、共働き家庭や高齢者世帯に人気
- 景観重視の庭・エントランスに最適
育て方のポイント
- 日照・・・基本は日向向きだが、半日陰でも育成可
- 水やり・・・乾燥に強く、夏も週2回程度で十分
- 刈り込み・・・月1回程度でも美しさを維持可能
- 芝張り後の初期管理だけ丁寧に行えば、あとはラク
西洋芝の特徴と育て方
特徴
- 寒地型芝の代表格で、北海道や東北など寒冷地で特によく使われています。
- 葉はとても柔らかく、深い緑色で高級感のある見た目。
- 成長が早く、美観を重視する庭や洋風ガーデンに人気です。
代表的な品種
- ペレニアルライグラス(多年草ライグラス)・・・発芽が早く、緑が濃い
- ケンタッキーブルーグラス・・・美しい光沢と耐寒性
- トールフェスク・・・踏圧にも強く、管理しやすい
向いている場所・条件
- 寒冷地〜冷涼な地域におすすめ
- 半日陰でも育つ品種もあり、やや日当たりが悪い場所にも対応可能
- 冬も比較的緑を保つ(常緑性)
育て方のポイント
- 日照・・・半日以上の日当たりが理想
- 水やり・・・乾燥に弱いため、夏はこまめに水やり(朝夕がおすすめ)
- 刈り込み・・・春〜秋は週1回以上(草丈4〜5cm)
- 肥料・・・春・秋中心にこまめな追肥が必要
注意点
- 夏の暑さ・湿気にやや弱いため、本州以南で育てる場合は注意が必要(風通しや水はけの良さがカギ)
- 一部の品種は「オーバーシード(冬芝)」としても活用されます(冬も緑を維持したい方向け)
芝生の選び方
西洋芝は「見た目の美しさ」と「常緑性」が魅力ですが、高温多湿の本州以南では管理の手間がかかる場合があります。一方で、高麗芝やTM9は日本の気候に合っており、管理のしやすさ重視の方におすすめです。
そのため、目的や地域に合わせて、最適な芝生を選ぶことが、長く楽しめる芝庭づくりの第一歩になります。
まとめ:【芝生を張る時期はいつ?】失敗しないための完全ガイド!
いかがでしたか?
美しい芝生は、適切な時期の選定、丁寧な準備、そして継続的なメンテナンスから生まれます。そのため、春や秋に芝生を張り、正しい手入れを行えば、一年中緑豊かなお庭を楽しむことができます。
しかし、忙しい方や自信がない方は、プロの業者に依頼するのも一つの方法です。
そして、この記事を参考に、あなたの理想の芝生づくりをスタートしてみてください!
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