庭木の剪定は、景観を整えるだけでなく、木の健康維持にも重要です。そのため、正しい時期と方法を知ることで、初心者でも失敗せずに取り組むことができます。
そこでこの記事では、剪定の適切な時期や基本道具、剪定手順、安全対策、剪定後の処理までをわかりやすく紹介していきます。

庭木はどんどん成長していくので、定期的に剪定を行わなければいけません。
ぜひ参考にしてください。
剪定に必要な基本道具と選び方|安全・効率よく剪定するために
庭木の剪定をスムーズかつ安全に行うためには、目的に合った道具をそろえることが大切です。
なぜなら、枝の太さや高さ、作業環境に応じて最適な道具を使うことで、剪定の効率が上がり、木へのダメージも最小限に抑えられるからです。
ここでは、初心者にも扱いやすい基本的な剪定道具と、その選び方のポイントをご紹介していきます。
1. 剪定バサミ
用途
直径1〜2cmほどの細枝や若枝のカットに最適。そして、花がら摘みや軽い整枝にも使える、最も使用頻度の高い道具です。
選び方のポイント
- 刃の素材・・・
錆びにくく長持ちするステンレス製や、鋭い切れ味が続く高炭素鋼が人気。 - グリップ・・・
手にフィットしやすいエルゴノミック(人間工学)設計がおすすめ。 - ロック機能・・・
安全面を考慮し、使用しないときに刃を固定できるロック機能は必須。 - 替刃の有無・・・
長期使用するなら、替刃が販売されているモデルを選ぶと経済的です。
2. 剪定ノコギリ
用途
直径2cm以上の太い枝や枯れ枝の除去に使います。そのため、力を入れすぎずスムーズに切れるよう、刃の形状が重要です。
選び方のポイント
- 折りたたみ式・・・
持ち運びしやすく、収納時に刃が露出しないので安全です。 - 刃のタイプ・・・
目が細かく、曲線型の刃は生木の切断に適し、滑らかな切り口が得られます。 - 重量・・・
軽量なモデルなら手首への負担が少なく、長時間の作業もラクに。 - 切れ味・・・
両刃タイプよりも、引いて切る「片刃タイプ」が庭木には扱いやすいです。
3. 作業用手袋
用途
手をトゲや枝の擦れから守り、道具をしっかり握るための必需品。
選び方のポイント
- 素材・・・
通気性のある合成皮革やゴムコーティング付きニット製が快適でおすすめ。 - 滑り止め加工・・・
グリップ力を高めるラバー加工付き手袋がベスト。 - サイズ・・・
指先までしっかりフィットするサイズを選びましょう。なぜなら、ぶかぶかだと作業しづらくなるからです。
4. 脚立
用途
高所にある枝を安全に剪定するためのサポートアイテム。
選び方のポイント
- 高さ・・・
作業する庭木の高さに合ったサイズを選ぶ。2段~3段タイプが家庭用に多い。 - 安定性・・・
脚が幅広く、滑り止め加工がされたものは転倒リスクを軽減。 - 素材・・・
アルミ製など軽量タイプは持ち運びが簡単。 - 片手作業対応・・・
作業中に体を安定させるために、手すり付きや踏み面が広いタイプが安心です。
あると便利なその他の道具
- 枝ばさみ(ロングタイプ)・・・地面近くや高所の枝を切るときに便利。
- ゴーグル/保護メガネ・・・木くずや葉が目に入るのを防止。
- 剪定くず入れバッグ・・・刈った枝葉をすぐ集められて、作業効率アップ。
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木の種類別|剪定に適した時期と注意点
樹木の種類ごとに最適な剪定時期は異なります。
そして、時期を誤ると、木が弱ったり、病気や害虫の被害を受けやすくなることもあります。そのため、剪定は「いつ行うか」が非常に重要です。
以下では、木のタイプ別に最適な剪定時期とその理由を詳しく解説していきます。
落葉広葉樹(例:モミジ・桜・カエデ・ハナミズキなど)
最適時期
- 12月〜2月の休眠期(冬)
理由
- 葉がすべて落ちて樹液の動きが止まっているため、剪定によるダメージが最小限に抑えられます。
- 枝ぶりが見やすく、不要な枝を判断しやすい。
- 春の芽吹きに向けて、新たな成長を促す準備になります。
注意点
- 落葉樹でも桜のように剪定に弱い品種は、大きな切り口を避け、軽めの整枝にとどめましょう。
常緑針葉樹(例:マツ・スギ・ヒノキ・コニファー類など)
最適時期
- 3月〜4月の春先
理由
- 新芽が展開する前に剪定することで、自然な形を保ちやすくなります。
- 活動が始まる直前の剪定は、傷の回復も早く、枝の更新にも効果的です。
注意点
- 秋〜冬の剪定は傷口が治りにくく、病原菌が侵入するリスクが高まります。
- 松は特にデリケートなため、「芽摘み」など品種特有の剪定法が必要なこともあります。
常緑広葉樹(例:ツバキ・クスノキ・サザンカ・キンモクセイなど)
最適時期
- 3月下旬〜4月下旬(暖かくなり始める頃)
理由
- 寒さのピークを過ぎたタイミングで剪定することで、剪定後の回復が早く、健康な芽吹きを助けます。
- 成長期を迎える前に整枝しておくことで、枝葉のバランスが良くなり、形を美しく保てます。
注意点
- 強剪定は避け、軽めの枝整理にとどめるのが安全です。
- 常緑樹は葉が落ちないため、切る位置や量に注意が必要です。
剪定を避けるべき時期
春先(3月〜5月)
樹液の流れが活発になる時期。そのため、剪定により「樹液が大量に流れ出す(樹液泣き)」現象が起こりやすく、木にストレスがかかります。
真夏(6月〜8月)
高温多湿で病害虫が発生しやすいため、剪定した切り口から菌が侵入しやすくなります。また、木が弱りやすい時期なので、大きな切り戻しは避けましょう。
補足:軽い剪定や形の調整は年間を通じて可能
上記は本格的な剪定(整枝・切り戻し)に適した時期です。
一方で、軽く伸びすぎた枝を切る程度の剪定や、枯れ枝の除去、花がら摘みなどは、年中行っても大きな問題はありません。
剪定の基本ポイントと手順|健康で美しい庭木に仕上げるコツ
剪定は、木の健康を保ち、美しい樹形を維持するための大切な作業です。ただし、やみくもに枝を切るのではなく、目的と手順を理解して行うことが重要です。
ここでは、基本の剪定ポイントと正しい作業の流れを詳しくご紹介していきます。
1. 不要な枝を切る|剪定の第一ステップは「取り除くこと」
まずは、木の成長を妨げる枝や病気の原因となる枝を見極め、しっかり取り除きましょう。
- 枯れ枝(枯死枝)・・・
乾燥し変色している枝。放置すると害虫のすみかになります。 - 病害虫枝・・・
葉に異常があったり、枝が黒ずんでいたりする部分。早めの除去が大切です。 - 交差枝・絡み枝・・・
他の枝とこすれ合って傷がつく原因になります。 - 内向き枝・・・
木の中心に向かって伸びる枝。込み合う原因になり、風通し・日当たりが悪化します。
目的
不要な枝を切ることで「風通し」と「栄養効率」が大きく向上し、木の健康を保ちます。
2. 樹形を整える|バランスと自然さがポイント
不要な枝を切ったあとは、全体の形を整えましょう。
- 自然なシルエットを意識・・・
無理に形を作らず、その木の特性に合った自然な姿に仕上げます。 - 間引き剪定がおすすめ・・・
枝元からすっきりと切り取ることで、枝の重なりを防ぎ、内部まで光が届くように。 - 外側だけでなく中心部も意識・・・
中央部に光が入ると、新芽や葉の育ちが良くなります。
目的
美観だけでなく、樹木の全体バランスを整え、長期的な健康と成長を促進します。
3. 切り口の処理|剪定後のダメージを最小限に
剪定でできた切り口は、木にとって「傷口」です。そのため、正しい処理で病気や腐敗を防ぎましょう。
- 斜めカットを基本に・・・
切り口に雨水が溜まらないよう、斜めにカットして水はけを良くします。 - 太枝には癒合剤(癒傷剤)を塗布・・・
切り口が大きい場合は、専用の保護剤を使って傷の治癒をサポート。 - 切り口のバリ(ささくれ)を除去・・・
ノコギリやナイフなどで滑らかに整えておくと、病原菌の侵入を防げます。
目的
木の自然治癒力を高め、雑菌や害虫の侵入リスクを減らします。
4. 剪定手順の流れ|段階的に進めて失敗を防ぐ
以下の流れで剪定を行えば、無駄なく安全に作業が進みます。
- 全体を観察・・・
樹形・枝の込み具合・病害枝などを確認し、剪定の方針を立てます。 - 枯れ枝・病害枝から除去・・・
まずは確実に取り除くべき枝から処理し、樹木の状態を整えます。 - 交差枝や密集部の整枝・・・
不要な枝を間引いてバランスを整えます。 - 形の調整・・・
必要に応じて高さや幅を調整。自然な形を意識し、やりすぎないのがポイントです。 - 切り口の処理・・・
最後に切り口を整え、癒合剤を塗るなどの処置を行います。
コツ
一度に切りすぎず、全体のバランスを見ながら少しずつ整えるのが失敗しないコツです。
また、剪定は「木と対話する作業」ともいわれます。そのため、枝を見ながら、木の状態や将来の姿を思い描くことが大切です。
剪定後のケアと廃棄物処理|剪定後も木を健康に保ち、ゴミも無駄なく活用
剪定は木にとって一時的にストレスがかかる作業です。
そのため、剪定後のケアが非常に重要になります。また、剪定で出た枝や葉の処理も、適切に行わないとトラブルの原因になることがあります。
ここでは、剪定後に行うべきケアと、枝葉などの廃棄方法について詳しく解説していきます。
剪定後の木のケア|ダメージ回復と成長促進のために
木は剪定後、一時的に水分や栄養のバランスが崩れ、体力が落ちた状態になります。そのため、適切なアフターケアをすることで、木の回復力を高め、健全な成長を促すことができます。
① 水やり(特に乾燥期や鉢植えに重要)
- タイミング・・・
剪定後すぐにたっぷりと与える。 - 理由・・・
切り口から水分が蒸散しやすくなるため、根からの吸水を補う必要があります。 - 注意点・・・
地植えの場合は、自然の雨で十分なケースもありますが、晴天が続く場合は補水を検討してください。
② 施肥(肥料のタイミングと種類)
- タイミング・・・
剪定後1〜2週間後を目安に、木が落ち着いてから与える。 - 肥料の種類・・・
ゆっくり効果が続く緩効性肥料(固形肥料)がおすすめ。 - 注意点・・・
剪定直後すぐに与えると、根が肥料やけを起こすことがあるため、少し時間を空けてから施肥しましょう。
③ 切り口の点検と保護
- 大きな切り口には、癒合剤を塗っておくことで、雑菌や病害虫の侵入を防ぎます。
- 雨の後や数日後に再点検し、変色や異常がないか確認すると安心です。
廃棄物の処理方法|ルールを守りながら再活用も検討
剪定で出た枝や葉は、想像以上に大量になります。そのため、環境にも配慮しながら、賢く処理することが大切です。
① 自治体のルールに従って処分
- 可燃ごみとして出す・・・
小枝や葉などは、自治体指定のごみ袋に入れて出せることが多いです。 - 粗大ごみ扱い・・・
太い幹や長い枝は、切断して長さを調整してから処分。また、地域によっては「粗大ごみ回収」になります。 - 注意点・・・
地域ごとに分別・収集ルールが異なるため、市区町村のホームページで確認しましょう。
② 堆肥化(コンポスト活用)
- 対象・・・
病害虫のない健康な葉や枝。 - 方法・・・
細かく砕いて枯葉や生ゴミと混ぜ、家庭用コンポスターで熟成。 - メリット・・・
ゴミを減らし、自家製の有機肥料として再利用できる点が魅力。
③ 薪や焚き火材として再利用
-
対象・・・
乾燥しやすい太枝や幹部分。 -
利用法・・・
薪ストーブやキャンプ用の焚き火材に。 - 注意点・・・
-
屋外での焚き火は禁止されている自治体もあるため、条例や消防法の確認が必要です。
-
未乾燥の枝は煙が多く、有害なガスが出る場合もあるのでしっかり乾燥させてから使用しましょう。
-
補足:剪定ごみの一時保管方法
- 麻袋やネット袋にまとめておくと、通気性が良くカビを防げます。
- 一時的に庭に積む場合はブルーシートを下に敷くと、土壌や芝を傷めません。
このように、適切な剪定後のケアと廃棄処理を心がけることで、庭木はさらに元気に育ち、環境にもやさしいガーデニングが実現できます。
剪定が不安な方へ|業者や教室の活用で安心・安全に始めよう
「枝を切りすぎたらどうしよう」「どこを切ればよいかわからない」など、剪定に対して不安を感じる方は少なくありません。
そのため、無理に自分だけで行うよりも、プロの業者に依頼したり、剪定教室で基礎から学んだりすることで、安全かつ確実に作業を行うことができます。
剪定をプロに依頼する|知識と技術で美しい仕上がりに
こんな人におすすめ
- 高所作業や大きな木の剪定に不安がある方
- 多忙で剪定の時間が取れない方
- 庭全体の整備をプロに任せたい方
おすすめ業者
剪定教室で学ぶ|自分でできる力を身につける
こんな人におすすめ
- 将来自分で庭木をメンテナンスしたい方
- 正しい剪定を基礎から学びたい方
- ガーデニングをより深く楽しみたい方
どちらを選ぶべき?
剪定の知識は、一度身につければ一生モノ
庭の手入れを自分でできるようになると、愛着がわき、ガーデニングの楽しみも深まります。そのため、不安がある方は、まずは「学ぶ」か「任せる」かから始めてみましょう。
まとめ:庭木の剪定で、健康で美しい庭を育てよう
いかがでしたか?
庭木の剪定は、「難しそう」と感じるかもしれません。
しかし、基本的な知識と正しいタイミングを押さえることで、初心者でも十分に行うことができます。
そのため、この記事でご紹介した道具の選び方や剪定の手順、注意点などを参考にすることで、安全に効率よく作業を進めることができます。
そして、無理のない範囲で実践しながら、少しずつ経験を積んでいくことで、木も庭もどんどん元気になり、自分だけの美しい庭づくりが楽しめるようになります。
ぜひ、今日からできることから始めてみましょう。
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