「自宅の庭で小さな自然を楽しみたい」「子どもと一緒に生き物を育てたい」と思っていませんか?
そして、そんな方におすすめなのがビオトープ作りです。
この記事では、ビオトープの基本から作り方、失敗しないコツまでを初心者向けにわかりやすく解説していきます。

庭やベランダでも始められる癒しの空間づくりにぜひ役立ててください。
ビオトープとは?初心者でも作れる“小さな自然空間”
ビオトープとは、ギリシャ語で「生命(bios)の場所(topos)」を意味し、生き物が共生できる環境のことを指します。
もともとは自然保護の概念として生まれた言葉ですが、近年では庭やベランダに小さな水辺や植物を配置し、自然に近い生態系を再現する方法として注目されています。
例えば、睡蓮鉢に水草を浮かべ、メダカやエビを泳がせるだけでも立派なビオトープになります。
そして、植物が水を浄化し、生き物が隠れ家や栄養循環を担うことで「小さな自然」が成り立ち、手軽に四季の移ろいや生命の営みを楽しめるのが魅力です。
ビオトープを取り入れるメリットは以下の通りです。
- メダカやトンボなど、生き物の暮らしを観察できる
- 夏場の庭やベランダに涼しさを演出できる
- 水草や水辺植物でナチュラルガーデンの雰囲気が高まる
- 小規模でも環境教育や自然観察の場になる
このように、「自然を身近に感じたい」「庭やベランダにちょっとした癒やし空間が欲しい」という方にはぴったりです。
また、鉢や水草を揃えるだけで始められるので、初心者でも気軽に挑戦できますよ。
ビオトープを作るメリットとは?
ただの水鉢や小さな池が、自然の循環を感じられる特別な空間に変わるのがビオトープの魅力です。
そのため、庭やベランダに取り入れることで、生き物の営みを観察できたり、景観がぐっと華やかになったりと、暮らしにうれしい効果がたくさんあります。
ここでは、初心者でも実感しやすいビオトープのメリットをご紹介していきます。
1. 自然を身近に体験できる
ビオトープを一つ庭やベランダに置くだけで、鳥が水を飲みに来たり、トンボやチョウが寄ってきたりと、小さな自然のドラマが日常に加わります。
また、水辺に泳ぐメダカやエビの動きは飽きることなく眺められ、お子さまの“生き物観察”や“自由研究”にもぴったり。
とくに、都会にいながら自然との距離を縮められるのは大きな魅力です。
2. 水質を自然に浄化してくれる
ビオトープの最大の特徴は、生態系が自らバランスを取ってくれること。
なぜなら、水草は二酸化炭素を吸収して酸素を供給し、タニシやエビ類はコケや残ったエサを食べて水をきれいにしてくれるからです。
結果として、フィルターに頼らなくても透明感のある水が保たれ、メンテナンスが格段に楽になります。
3. 庭の景観アップ&癒し効果
水面に空や植物が映り込むだけで、庭がぐっと奥行きのある空間に変わります。
四季ごとに睡蓮やホテイアオイが花を咲かせ、夏は涼しげ、秋は落ち葉が水面に浮かぶ風情を楽しめます。とくに、夜にライトを当てることで、幻想的な雰囲気で“癒しのリビングガーデン”に早変わり。
これにより、視覚的にも精神的にもリラックス効果をもたらしてくれます。
4. 教育や環境保護への貢献
ビオトープは単なる“庭の飾り”ではなく、自然の循環を学べる教材にもなります。
なぜなら、水が濁る→植物が育つ→生き物が支える、という一連の流れを身近に体感できるからです。そのため、お子さまの環境教育や自由研究に役立ちます。
また、都市部に失われた生息地を小規模に再現することで、トンボやカエルといった身近な野生生物の保護にもつながります。
ビオトープに適した場所の選び方
せっかくビオトープを作っても、置く場所を間違えると水が濁ったり生き物が弱ったりして長続きしません。しかし、実は「日当たり」「風通し」「落ち葉や雨水の入りやすさ」など、ほんの少しの環境の違いで管理のしやすさや美しさが大きく変わります。
ここでは、初心者でも失敗しにくい、ビオトープに最適な場所のポイントをご紹介していきます。
半日陰の場所がおすすめ
ビオトープは直射日光が当たりすぎると水温が急上昇し、生き物が弱ってしまうことがあります。また、日差しが強いとコケも大量発生しやすく管理が大変に…
そのため、午前中だけ日が当たり、午後は日陰になるような“半日陰”が最も安定した環境をつくることができます。
風通しのよい場所
風通しが悪いと水が淀み、アオコや悪臭の原因になりやすいです。
そのため、風の流れがある場所に置けば、水温も上がりにくく、水質が自然に保たれます。これにより、夏場でも生き物にとって快適な環境が長持ちします。
落ち葉や雨水が入りにくい場所
落ち葉が大量に入ると水が濁り、分解のために酸素が消費されて水質悪化を招きます。また、強い雨が直接流れ込む場所は水が急に濁ったり、生き物が流されてしまうリスクも…
そのため、屋根や樹木の下など、余分なゴミや雨が入りにくい場所を選ぶと清掃が楽になります。
ベランダや睡蓮鉢でも楽しめる“ミニビオトープ”
「庭がないから無理」と思う方でも、ベランダや玄関先に睡蓮鉢を置くだけで立派なビオトープが楽しめます。
なぜなら、水草やメダカを数匹入れるだけでも自然な循環が生まれ、身近に小さな自然を感じられるからです。そのため、都市部のマンション暮らしでも始めやすいのが大きな魅力です。
ビオトープ作りに必要な材料
ビオトープは特別な設備がなくても、身近な材料をそろえるだけで始められます。
容器や水、植物、土など、基本のアイテムを押さえれば十分。また、どれも園芸店やホームセンターで手軽に入手できるものばかりなので、初心者でも安心です。
ここでは、ビオトープに欠かせない材料と、その選び方のポイントをご紹介していきます。
容器
睡蓮鉢・プランター・FRP容器など、深さ30cm前後・直径30cm以上が安定します。
- 陶器や素焼きは見た目が涼しげで和風にも洋風にもマッチ。
- プラスチックやFRPなら軽くて割れにくく、ベランダにも安心。
- デザイン性のある鉢を選べば、そのままインテリアとしても楽しめます。
水
基本は水道水でOKですが、カルキ抜きをしてから使いましょう。
- 汲み置きして1日置くだけで塩素が抜けます。
- 雨水や井戸水を使えば、より自然に近い環境に。
- 定期的な水の追加で循環を保つことが大切です。
水生植物
浄化用にはホテイアオイ・アナカリス・ウォーターマッシュルームなどを入れると水がきれいに保たれます。
- 観賞用にはスイレンやハスがおすすめ。
- 花が咲くと一気に華やかになり、小さな池のような風情を楽しめます。
- 種類を組み合わせると、見た目のバランスも良くなります。
底床(土)
赤玉土や川砂を底に敷くことで植物の根を固定し、微生物の住処にもなります。
- 微生物は水質浄化を助ける重要な存在。
- 砂利を表面に薄くかぶせると濁りが抑えられ、見た目も美しく仕上がります。
💡 これに加えて「メダカやエビ」を数匹入れると、さらに自然の循環が完成します。そして、容器+水+植物+生き物、この4つがそろえば立派なビオトープが完成します。
ビオトープの作り方ステップ
ビオトープ作りは難しそうに見えても、実は基本の手順を押さえれば誰でも始められます。
なぜなら、容器に土や水を入れ、水草や石を配置してから生き物を迎えるだけで、小さな自然空間が完成するからです。
ここでは、初心者でも安心して挑戦できる、わかりやすいステップを順番にご紹介していきます。
1. 容器を洗う
まずは使う容器(睡蓮鉢やプランターなど)をきれいに洗います。
そして、ここで注意したいのは“洗剤を使わないこと”。なぜなら、洗剤の成分は生き物に有害だからです。そのため、水でサッと洗うだけでOKです。
2. 底床(土)を敷く
赤玉土や川砂を1〜5cmほど敷きます。
そして、これは水生植物の根を固定するだけでなく、微生物の住処にもなり、水質を安定させる役割があります。
3. 水を注ぐ
カルキ抜きした水道水、または雨水や井戸水を容器の8分目まで入れます。また、カルキ抜きは「一晩汲み置き」か、市販の中和剤を使えば簡単。
4. 水生植物を植える
水草は3タイプを組み合わせるとバランスが良いです。
- 沈水植物(アナカリスなど)…酸素を供給
- 浮遊植物(ホテイアオイなど)…日差しを遮り水質浄化
- 抽水植物(スイレン・ハスなど)…景観を華やかに
5. 石を配置する
石や流木を入れると、生き物の隠れ家になり、見た目も自然に近づきます。とくに、配置を工夫すると「小さな池」のような雰囲気が出ます。
6. 生き物を導入する
最後にメダカやエビ、タニシを迎え入れます。
ただし、水質が落ち着くまでに1週間ほどかかるので、植物を植えた直後ではなく「1週間後」を目安にすると安心です。
💡 ここまでで基本のビオトープが完成!あとは日々の観察を楽しみながら、自然の小さな循環を体感できます。
失敗を防ぐ注意点
ビオトープはシンプルな作り方でも楽しめますが、いくつかの基本を知らないと「水がすぐ濁る」「生き物が弱る」といったトラブルにつながります。
しかし、ちょっとした工夫で長持ちしやすくなるので、ここでは初心者が特に気をつけたいポイントをご紹介していきます。
水質管理は“少しずつ”が基本
ビオトープで一番多い失敗は「水が濁ったからといって全部の水を入れ替えてしまう」こと。
なぜなら、これはせっかく育った微生物や水草のバランスを壊し、生き物に大きなストレスを与えてしまうからです。そのため、水替えは全量ではなく1/3程度を目安に、2〜3週間ごとに行うのが理想です。
そして、足し水はカルキを抜いたものを必ず使用しましょう。
生き物の“脱走防止”も大切
メダカやエビは意外とジャンプ力があり、カエルは水辺から飛び出すこともあります。
とくに、容器の水位をギリギリまで上げると脱走の原因に…
そのため、水面から5cmほど余裕を持たせると安心です。また、飛び出し防止ネットや水草でのカバーも効果的です。
害虫対策は“自然派”で
夏場になるとボウフラやコバエが気になることがありますが、農薬は水生生物にとって命取り。そのため、ニームオイルや木酢液といった自然由来の資材を使えば、生き物にダメージを与えずに害虫を抑えられます。
とくに、ニームオイルはメダカやエビと相性が良く、自然なサイクルを守りながら害虫を減らせるので安心です。
💡 これらのポイントを意識するだけで、ビオトープは格段に安定しやすくなります。そして、失敗を防げば長く楽しめる“小さな自然”になるので、最初から正しい管理を心がけましょう。
万一、被害が拡大してしまった場合
- ニームオイルや木酢液などの天然成分を使った対策をまずは試してみましょう。
- 自力での対処が難しい場合や、他の植物や周囲に被害が及ぶ場合には、プロの害虫駆除業者へ相談することも選択肢のひとつです。
プロの害虫駆除なら、「害虫駆除110番」がおすすめです。詳しくは、公式サイトをご確認ください。
まとめ:庭にビオトープを作って癒しの空間を楽しもう
いかがでしたか?
ビオトープは、庭やベランダに小さな生態系を再現できる自然空間です。
生き物を観察できる楽しさに加えて、水草による水の浄化作用や、庭の景観を引き立てる癒し効果も魅力。さらに、お子さまの自然教育にも役立ちます。
そして、成功のポイントは「半日陰などの適した場所選び」と「少しずつ行う水質管理」。この2つを押さえれば、初心者でも長く楽しめます。
今日からできる行動
- 庭やベランダで「半日陰の場所」をチェックする
- 睡蓮鉢・赤玉土・水草をカートに入れて準備
- カレンダーに「立ち上げ後1週間の水質チェック」をメモ
まずは、睡蓮鉢ひとつからでも大丈夫。自然と調和する癒しの庭をつくる第一歩として、気軽にビオトープ作りを始めてみてください。
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