「庭の手入れ、正直ちょっと面倒…」「放置しても大丈夫?」
そう感じている方は少なくありません。しかし、庭を整えることは見た目以上に、癒し・家族時間・防災・環境まで暮らし全体に影響します。
この記事では、初心者でも分かる庭を美しく保つ5つのメリットと、放置すると起きやすい失敗例をセットで解説していきます。

庭を綺麗にすることは、簡単なことではありません。しかし、数多くのメリットを得ることが出来ます。ぜひ参考にしてください。
庭を美しく保つメリットとは?
「庭をきれいにすると気持ちがいい」
それは間違いありませんが、実はそれだけではありません。なぜなら、庭を整えることは、暮らしの快適さ・安心感・家族との時間まで大きく左右するからです。
逆にいうと、庭を放置していると「気づかないうちに損をしている」ケースも少なくありません。
ここではまず、
- なぜ庭が暮らしの質に直結するのか
- 放置すると何が起きやすいのか
を、分かりやすく整理しておきましょう。
見た目以上に「暮らしの質」が変わる理由
庭は、単なる屋外スペースではなく、毎日の生活に“無意識に影響を与える空間”です。
例えば、次のような変化が起こります。
- 窓から見える景色が整う・・・気分が落ち着く
- 雑草や荒れた土が減る・・・虫・ニオイ・不快感が減る
- 動線が整理される・・・外に出るのが億劫でなくなる
- 庭に居場所ができる・・・家族の会話や趣味が増える
これらは一つひとつは小さな変化ですが、積み重なると「家にいる時間の満足度」が大きく変わります。とくに、在宅時間が長い家庭ほど、庭が整っているかどうかは生活ストレスの差として現れやすくなります。
つまり、庭を美しく保つことは見た目の問題ではなく、暮らし全体のベースを整える行為なのです。
放置した庭で起きやすい3つの問題
一方で、「今は特に困っていないから」と庭を放置していると、次のような問題が徐々に進行していきます。
① 雑草・害虫が増え、手に負えなくなる
雑草は一度広がると…
- 根が深くなる
- 種が飛ぶ
- 害虫の住処になる
という悪循環に入ります。
結果、自分では対処できないレベルになり、時間も費用も余計にかかるケースが少なくありません。
② 防犯・防災面でリスクが高まる
背の高い雑草や茂った植木は…
- 見通しが悪くなる
- 不審者が身を隠しやすくなる
- 強風時に倒木・飛散の原因になる
など、安全面の弱点になります。
とくに、「庭は家の外だから関係ない」と思われがちですが、実際には家を守る最前線でもあります。
③ 近隣トラブルにつながりやすい
庭の放置で多いのが…
- 雑草の越境
- 落ち葉・害虫の被害
- 見た目への不満
といったご近所トラブルです。そして、一度関係がこじれると、後から庭を整えても印象を戻すのは簡単ではありません。
このように、庭は「後回しにすると困る場所」であり、「少し整えるだけで得をする場所」でもあります。
次の章からは、庭を美しく保つことで得られる具体的な5つのメリットを、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
メリット① 心と体を癒すリラックス空間になる
「庭があると癒される」とよく言われますが、それは感覚的な話ではなく、体と脳の仕組みに基づいた効果です。
なぜなら、忙しい毎日の中で…
- 気づかないうちに溜まるストレス
- 休んでいるつもりでも抜けない疲労感
こうした状態を、庭は“自然に”和らげてくれるからです。
なぜ庭はストレスを減らすのか?【科学的根拠】
緑のある環境に身を置くと、私たちの体では次のような変化が起こります。
- ストレスホルモン「コルチゾール」の分泌が減る
- 心拍数・血圧が安定しやすくなる
- 自律神経のバランスが整いやすくなる
これは「森林浴効果」と呼ばれ、森だけでなく自宅の庭レベルの緑でも同様の傾向が確認されています。
とくに、庭が効果的なのは…
- 視界に緑が入る(見るだけでOK)
- 自然音がある(風・葉擦れ・水音)
- 外気に触れる(室内とは違う刺激)
という3点が、同時に満たされやすいからです。
つまり庭は、外出せずに“脳を休ませる環境”を作れる場所。だからこそ、「何もしないのに、なぜか落ち着く」という感覚が生まれるのです。
初心者でもできる癒しの庭づくり
癒しの庭は、お金や広さがなくても作れます。
大切なのは、五感を刺激しすぎないこと。とくに、初心者でも取り入れやすいポイントは、次の通りです。
視覚:緑は「量」より「視線の先」
- 窓から見える位置に植栽を1か所つくる
- すべてを飾らず、余白を残す
聴覚:音は「小さく・自然に」
- 風で揺れる葉
- 小型の噴水や水盤
- 竹・木製のチャイム
※ 人工的な大音量は逆効果
嗅覚:香りは「控えめ」が正解
- ラベンダー
- ローズマリー
- ミント(鉢植え推奨)
また、強すぎる香りは、疲労感につながることもあります。
触覚:座れる場所をひとつ
- ウッドベンチ
- リクライニングチェア
- デッキの縁に腰掛けるだけでもOK
とくに、「座れる場所があるかどうか」で、庭の使われ方は大きく変わります。
やってはいけない例:癒しを邪魔する庭の特徴
実は、整えているつもりでも逆に疲れる庭は少なくありません。
そして、よくあるNG例はこちらです。
情報量が多すぎる庭
- 植物を詰め込みすぎ
- 色・形がバラバラ
- 飾りや置物が多い
👉 脳が休まらず、落ち着かない
手入れ前提の庭
- 毎日の水やりが必要
- 剪定頻度が高い植物ばかり
- 雑草がすぐ目立つ構成
👉 「やらなきゃ」という義務感がストレスになる
使い道が想像できない庭
- 立ち入れない
- 座れない
- 眺める場所がない
👉 結果、放置 → 荒れる → 癒しとは真逆に
このように、癒しの庭づくりで大切なのは、完璧に整えることではありません。
そのため…
- 1か所だけ整える
- 5分だけ外に出る
- 見るだけの場所を作る
それだけでも、心と体は確実に反応します。
メリット② 家族との絆を育てる「共有スペース」になる
庭は、家の中とは違う形で家族が自然に集まる、特別な共有スペースです。とくに、リビングではそれぞれスマホ、テレビの前では会話が途切れがち…。
そんな家庭でも、庭があると「目的のない時間」を一緒に過ごしやすくなります。
庭がある家庭ほど会話が増えやすい理由
庭での会話が増えやすい理由は、「何かをしながら話せる場所」だからです。
なぜなら、人は…
- 向かい合って話す
- ちゃんと会話しようとする
ほど、逆に言葉が出にくくなるからです。
一方、庭では…
- 水やりをしながら
- 植物を見ながら
- 片付けや軽作業をしながら
という“横並びの時間”が自然に生まれます。とくに、この状態は心理的な緊張が少なく、
- 子どもが学校の話をしやすい
- 夫婦のちょっとした相談が出やすい
- 無言でも気まずくならない
という効果があります。
つまり庭は、「話すための場所」ではなく「話してしまう場所」なのです。
家族で楽しめる庭の使い方アイデア
家族の絆を育てる庭づくりに、難しい工夫は必要ありません。そして、ポイントは「全員が少し関われる余白」を作ることです。
ガーデニングを“作業”にしない
- 子ども:水やり・収穫
- 大人:植え替え・剪定
- 見るだけ参加もOK
👉 役割がゆるいほど続きやすい
食に直結する体験を入れる
- ミニトマト
- バジル
- シソ・小ネギ
👉「今日の料理に使う?」この一言が、会話を生みます。
庭で“ちょっとだけ非日常”
- おやつを外で食べる
- 週末だけ外でコーヒー
- 夜にライトアップしてみる
👉 特別なイベントでなくても、場所が変わるだけで印象に残る時間になります。
親子・夫婦でできる軽DIY
- 小さな花壇
- ベンチ
- プランター台
👉 完成度より、「一緒に作った」という体験が大切です。
失敗例:使われない庭になる原因
せっかく庭があっても、使われないケースには共通点があります。
「眺めるだけ」の庭
- 入れない
- 座れない
- 動線がない
👉 結果、誰も庭に出なくなる
手入れが大変すぎる
- 雑草がすぐ目立つ
- 管理が特定の人に集中
- 失敗すると怒られる雰囲気
👉 庭が“負担の象徴”になる
完成形を求めすぎる
- 最初から完璧を目指す
- 使いながら変える余地がない
👉 使われないのに変えにくい庭になる
このように、家族の絆を育てる庭に必要なのは、美しさより「使いやすさ」です。
- 座れる場所が1つある
- 入っていい空気がある
- 失敗してもOKな雰囲気がある
それだけで、庭は家族が自然に集まる場所に変わります。
メリット③ 趣味が増え、日常の満足度が上がる
「趣味を始めたいけど、時間も気力もない」そう感じている人ほど、庭の価値を見落としがちです。
実は庭は、新しいことを“失敗しても大丈夫な距離感”で試せる場所。
とくに、遠出も準備もいらず、思い立ったときに5分だけ関われる。それが、庭が日常の満足度を底上げしてくれる理由です。
庭は「新しい趣味」を試しやすい場所
多くの趣味が続かない理由は…
- 準備が面倒
- 時間をまとめて確保する必要がある
- 失敗すると無駄に感じる
という心理的ハードルにあります。しかし、庭にはこれらを一気に下げる特徴があります。
- 自宅にある・・・移動ゼロ
- 小さく始められる・・・初期投資が少ない
- 中断してもOK・・・プレッシャーがない
例えば…
- 種をまいて様子を見る
- 写真を1枚撮る
- 5分だけ外で体を動かす
この「小さな関わり」が積み重なることで、自然と“趣味”に育っていくのです。
ガーデニング以外の楽しみ方
庭の楽しみは、植物を育てることだけではありません。
写真・記録の趣味
- 花の成長記録
- 季節の変化
- 朝夕の光の違い
👉 スマホ1台でも、「昨日と今日の違い」に気づく感性が育ちます。
軽い運動・リフレッシュ
- 朝のストレッチ
- ヨガ
- 深呼吸
👉 室内よりも、風・光・音があるだけで満足感が変わります。
おうちアウトドア
- 庭キャンプ
- ベランピング
- 夜のライトアップ鑑賞
👉 準備も片付けも簡単なので、「非日常」を日常に取り入れやすくなります。
創作・DIY
- 小さな花壇
- プランター台
- ベンチや棚
👉 完成度より、「作る過程」が楽しめるのが庭DIYの魅力です。
やりがち注意:最初から欲張りすぎると続かない
庭趣味で挫折しやすい人には、共通点があります。
一気に詰め込みすぎる
- 植物を大量に買う
- 複数の趣味を同時に始める
- 完成イメージを最初から固める
👉 管理が追いつかず、楽しさより負担が勝つ
「毎日やらなきゃ」と思い込む
- 水やり
- 手入れ
- 観察
👉 義務感がストレスになり、距離を置いてしまう
成果を急ぐ
- すぐ咲かない
- 上手く育たない
- 映えない
👉 「向いてない」と決めつけてしまう
このように、庭の趣味で大切なのは、続けることより戻ってこられることです。
- 今日は何もしなくていい
- 気が向いたら触る
- 飽きたら休む
それくらいの距離感が、結果的に一番長く楽しめます。
メリット④ 災害リスクを減らす“守る庭”になる
庭というと、「癒し」「景観」「趣味」のイメージが強いかもしれません。
しかし実は、庭は自然災害から家と家族を守る“緩衝地帯”としても重要な役割を果たしてくれます。逆に、防災を意識せずにつくった庭は、災害時に危険を増やす原因になることもあります。
庭と防災の意外な関係
自然災害の多くは、「風・水・火」という要素で被害が拡大します。
そして、庭はこの3つに対して…
- 勢いを弱める
- 広がりを止める
- 直接的な被害を受け止める
という役割を持たせることができます。
例えば…
- 植物が風を分散する
- 芝生や土が雨水を吸収する
- 植栽の配置が延焼を遅らせる
これらはすべて、自然の力を使った防災対策です。
つまり庭は、コンクリートで固めるだけでは得られない「柔らかい防災」を実現できる場所なのです。
風・水・火に強い庭づくりの考え方
防災に強い庭づくりの基本は、「止める」より「和らげる」発想です。
風への備え:受け止めず、逃がす
- 風の通り道に透け感のある植栽
- 常緑樹+落葉樹の組み合わせ
- フェンスと植栽の併用
👉 完全に遮ると、強風時に倒木・破損リスクが高まります。
水への備え:流すより、染み込ませる
- 芝生・グラウンドカバーで地表を覆う
- 砂利+防草シートで排水確保
- 水が溜まりやすい場所は植栽を避ける
👉 雨水を一気に流すより、分散して吸収させるほうが安全です。
火への備え:燃えにくいゾーンを作る
- 水分量の多い低木を家周りに
- 枯れ葉・剪定ゴミを溜めない
- 木製物は建物から距離を取る
👉 庭は、延焼を止める“空間”として使えるのが強みです。
危険な例:防災を無視した植栽配置
見た目重視だけで庭をつくると、災害時にリスクが一気に表面化します。
建物すれすれの高木
- 倒木リスク
- 屋根・外壁への直撃
- 根による基礎への影響
風を完全に遮る密植
- 強風時に一気に倒れる
- フェンス・塀が破損しやすい
乾燥しやすい植栽だらけ
- 枯れ枝・落ち葉が溜まる
- 火災時に燃え広がりやすい
水の逃げ場がない庭
- 大雨時に冠水
- 泥はね・基礎への浸水
- 土砂流出
このように、防災に強い庭は、特別な設備がなくても実現できます。
- 植える位置を少しずらす
- 種類を見直す
- 「和らげる」配置に変える
それだけで、庭は「楽しむ場所」から「家を守る場所」へと進化します。
メリット⑤ 地球環境に貢献できる
「環境にいいことをしたい」と思っても、大きな行動はなかなか続きません。
しかし庭なら、普段の暮らしをほとんど変えずに環境にやさしい選択ができます。しかもそれは、節電・節水・防災ともつながる、無理のないエコです。
庭がエコにつながる理由
庭が環境に貢献できる理由は、自然の働きを“止めない”空間だからです。
温度を下げる
- 土や植物は熱を溜め込みにくい
- 芝生や植栽が照り返しを抑える
👉 ヒートアイランド対策・冷房負荷の軽減
水を循環させる
- 雨水が土に染み込む
- 地下水の涵養につながる
👉 排水負担を減らし、都市型洪水の抑制にも貢献
生きものの居場所になる
- 花粉・蜜 → 昆虫
- 実・枝葉 → 鳥
👉 小さくても、生態系の「点」として機能
ゴミを減らせる
- 落ち葉や剪定枝を堆肥化
- 生ゴミの一部を土に戻す
👉 焼却エネルギーの削減につながる
このように、庭は、目立たないけれど確実に効くエコ活動の集合体なのです。
初心者でもできるエコガーデニング
エコガーデニングは、難しい知識や設備は不要です。そのため、「手をかけすぎない」ことが成功のコツです。
在来種・丈夫な植物を選ぶ
- 水やり・肥料が少なくて済む
- 病害虫に強い
👉 管理負荷も環境負荷も同時に減らせる
雨水を“捨てない”
- バケツ・簡易タンクで十分
- 水やりに再利用
👉 水道使用量を無理なく削減
地面をむき出しにしない
- 芝生
- グラウンドカバー
- マルチング
👉 乾燥防止・雑草抑制・土壌保護
コンポストは“小さく”始める
- 密閉型
- ダンボール式
👉 失敗しにくく、ニオイも出にくい
NG例:管理できず逆に環境負荷が増えるケース
「エコを意識したつもり」が、逆効果になることもあります。
水を使いすぎる庭
- 夏場の過剰散水
- 不要な毎日水やり
👉 水資源・電力の無駄遣い
肥料・農薬に頼りすぎる
- 成長を急がせる
- 害虫を過剰に排除
👉 土壌・周辺環境への負担増
管理できない植物選び
- 成長が早すぎる
- 外来種・侵略的植物
👉 剪定・廃棄・処理コストが増大
“エコっぽさ”優先の庭
- 見た目だけ真似る
- 続かない仕組み
👉 結果、放置 → 荒れる → 再整備が必要
このように、エコな庭づくりで大切なのは、頑張らないことです。
- 水を減らす
- 手入れを減らす
- 自然に任せる
その選択そのものが、環境へのやさしさにつながります。
まとめ:庭を整えることは「暮らしを整えること」
いかがでしたか?
庭を美しく保つことは、「手間をかけること」ではなく、暮らしをラクに・豊かにする選択です。
- 心と体が整う
- 家族の時間が増える
- 趣味が広がる
- 災害への備えになる
- 環境にもやさしい
すべてを一度にやる必要はありません。まずは雑草を減らす・一角を整えるだけでも十分です。
とくに、「どこまで自分でやるか迷う」「続けられるか不安」なら、一度プロの意見を聞いて判断するのも失敗を防ぐ近道です。
👉 今日できる一歩
- 庭を写真で撮って「気になる場所」を1つ決める
- そこだけ整える or 相談する
庭が変わると、暮らしの感じ方も確実に変わり始めます。
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