冬の寒さが近づくと、観葉植物にも気配りが必要になります。とくに、寒さに弱い種類の植物は、放置すると枯れる原因にも…
そこで、この記事では観葉植物の冬越しに必要な
「耐寒性の知識」「地域別の管理法」「DIYでできる寒さ対策」「おすすめ防寒グッズ」などを徹底解説していきます。

植物の防寒対策は大切なことです。ぜひ、参考にしてください。
観葉植物の耐寒性を知る:冬越しの基本
寒さが厳しくなる冬の季節、私たちと同じように観葉植物も環境の変化に大きな影響を受けます。とくに、熱帯原産の植物は低温に弱く、適切な対策をしなければ元気を失ってしまうことも…
そのため、冬越しを成功させるためには、まずそれぞれの植物がどれくらいの寒さに耐えられるか=「耐寒性」を正しく理解することが大切です。
そこで、ここでは観葉植物の耐寒性の基本知識と、寒さから守るための実践的な管理ポイントをご紹介していきます。
耐寒性とは?
「耐寒性」とは、植物が枯れずに生き延びられる最低気温の限界のことです。
例えば、多くの熱帯原産の観葉植物は、10℃を下回ると生育が止まり、5℃以下でダメージを受けるものもあります。
- 生育可能最低気温・・・
植物が成長を継続できる温度の下限(多くは12〜15℃以上) - 成長停止温度・・・
成長が止まり、葉の黄変や落葉などが起こる温度(10℃前後が目安) - ストレス温度・致死温度・・・
細胞が損傷し、最悪の場合枯れてしまう温度(5℃以下など)
とくに、冬は日中は暖かくても夜間に急激に冷え込むことが多いため、油断は禁物です。
耐寒性を踏まえた冬の管理ポイント
観葉植物を寒さから守るには、「冷気・乾燥・風」からの防御が重要です。そのため、以下のポイントを意識しましょう。
1. 夜間の窓際を避ける(冷気回避)
窓ガラスの近くは、外気の影響で気温が急低下します。夜間は特に冷えやすく、葉が凍傷のように傷むことも。
- 対策・・・夜だけでも部屋の中央や暖かい場所に移動させる
- 難しい場合・・・プチプチや断熱シートを窓に貼って冷気対策
2. 湿度を保つ(加湿器・霧吹き)
冬は暖房によって空気が乾燥しがち。乾燥は葉のチリチリや落葉の原因になります。
対策
- 加湿器を設置して湿度40〜60%を保つ
- 朝や昼に葉に霧吹きをする(夜はカビの原因になるため避ける)
- 受け皿に水を張り、小石を敷いて鉢底が直接水に浸からないようにするのも効果的
3. 隙間風を遮る(カーテン・カバー)
玄関や窓の隙間風が直接当たると、植物は急激な温度変化にさらされます。
対策
- 厚手のカーテンを使う
- 植物用の透明ビニールカバーや簡易温室を使って保温する
4. 鉢を床から離す(棚や断熱材を活用)
床は意外と冷たく、特にフローリングやタイルは鉢を冷やしやすい場所です。
対策
- 木製の棚やスチールラックの上に置く
- 発泡スチロールやコルクマット、断熱マットを鉢の下に敷く
- 床暖房がある場合は根を傷めないよう注意(高温で根が煮えることも)
このように、観葉植物を冬越しさせるカギは、「耐寒性の理解」と「環境の調整」にあります。
そのため、植物ごとの耐寒温度を把握した上で、冷気・乾燥・隙間風・床冷えをしっかり対策すれば、寒い季節でも元気に育てられます。
地域別:冬の観葉植物ケアの違い
日本は南北に長く、地域ごとに冬の気候が大きく異なります。そのため、観葉植物の冬越し対策も、それぞれの地域の特徴に応じた工夫が必要です。
東京などの温暖地域(関東・四国・九州の平地部)
関東などは冬でも最低気温が0〜5℃前後の日が多く、屋内での管理が比較的しやすい地域です。しかし、日照不足や乾燥に注意が必要です。
主な対策
- 日照を確保・・・
冬は日が短くなるため、できるだけ南向きの窓辺に置いて日光を確保しましょう。日差しが差し込む時間帯に光を浴びせることで、葉の色や健康を保てます。 - 夜間は室内中央に移動・・・
夜は窓際の温度が下がりやすいため、夜間だけは室内の中央など比較的暖かい場所へ移動させると安全です。 - エアコンの風を避け、加湿・・・
暖房の風が直接当たると葉が乾燥しやすくなり、葉焼けや落葉の原因になります。エアコンの風が当たらない位置に置き、加湿器で湿度を保ちましょう。
北海道などの寒冷地(東北内陸・日本海側の豪雪地帯含む)
冬の最低気温が氷点下を大きく下回ることもあり、窓際の冷気や結露による葉の傷み、鉢の冷えすぎに注意が必要です。
主な対策
- 窓から離す/暖房のある部屋へ・・・
窓付近は外気に近いため、観葉植物は窓から離し、暖房が効いた部屋で管理しましょう。また、2重サッシや断熱シートを利用するのも効果的です。 - 鉢底の断熱対策をしっかりと・・・
床の冷えも大敵です。そのため、鉢の下に発泡スチロール、断熱マット、木製の板や棚などを敷き、直接冷気が伝わらないようにします。 - 室温を15℃以上にキープ・・・
特に寒さに弱い品種(アンスリウム、ベンジャミン、ポトスなど)は、15℃を下回ると弱りやすいため、安定した室温管理が欠かせません。
関西・東北・沖縄などの中間・特殊気候地域
関西(大阪・神戸など)や東北の沿岸部、沖縄のように気候が中間的・特殊なエリアでは、朝晩の冷え込みや湿度差がポイントになります。
主な対策
- 地域気候に合わせた温度・湿度管理・・・
関西や東北沿岸部は、日中は暖かくても夜間に冷え込む日が多いため、最低気温に合わせて対策を行います。また、沖縄では冬でも温暖ですが、急な寒波時に一時的な屋内避難が必要になる場合も… - 朝晩の冷え込みに注意・・・
朝の冷気が残る時間帯と、夜間の気温低下が葉にダメージを与える原因になります。そのため、霜や結露、突発的な冷気流入に備えた対応(カーテン・保温カバー)も役立ちます。
地域に応じたケアで冬越し成功
観葉植物の冬の管理は、お住まいの地域の冬の気温・湿度・日照の特徴を把握することが第一歩です。
こうしたポイントを意識しておくことで、どの地域でも冬越しは成功しやすくなります。
DIYでできる観葉植物の寒さ対策
冬の寒さから観葉植物を守るためには、手軽にできるDIY対策がとても役立ちます。とくに、暖房が届きにくい場所や、一時的な寒波への備えとして、以下の方法は効果的です。
ダンボール温室の作り方
寒さに弱い植物を一時的に保護する「簡易温室」を、身近な材料で自作できます。そして、光を取り入れつつ、冷気や風を遮断する構造を目指しましょう。
準備するもの
- ダンボール(できれば2重構造)
- 透明ビニールシートまたはラップ
- ガムテープまたはビニールテープ
- カッター、はさみ
作り方
- 窓の代わりに光を取り入れる穴を開ける・・・
南向きや明るい場所に置くことを想定し、前面や上部に大きめの開口部を作ります。 - 開けた部分に透明ビニールを貼る・・・
日光を取り入れられるよう、ビニールシートをピンと張ってテープで固定。保温性を確保しながら光合成を助けます。 - 側面と背面はダンボールでしっかり囲う・・・
冷気が入り込まないように隙間をテープでしっかり塞ぎます。 - 底面は開けておく、または敷物を敷く:
底は完全に密閉せず、湿気がこもらないように。木の板やすのこ、断熱マットを下に敷くと効果的。
ワンポイント
- 完全密閉するとカビや根腐れの原因になるため、数か所に小さな通気口を設けて空気が流れるようにしましょう。
- 高さが足りない場合は、ダンボールを2段に積み重ねて調整も可能です。
発泡スチロールで鉢の断熱
冷たい床や窓辺からの冷気で鉢が冷えると、根がダメージを受けやすくなります。そのため、発泡スチロールを使った断熱は、非常に簡単で効果的です。
準備するもの
- 発泡スチロールシート(ホームセンターや100均で入手可能)
- ガムテープまたはビニールテープ
- はさみやカッター
方法
- 鉢のサイズに合わせてカット・・・
鉢の側面を覆える長さと高さにカットした発泡スチロールを数枚用意します。 - 外周をぐるりと囲む・・・
鉢の外側に巻くように貼り付け、テープで固定します。 - 鉢底も保温・・・
鉢の下に発泡スチロールの板を敷くことで、下からの冷えをカットできます。さらにコルクマットや木板を併用すると安心です。
ワンポイント
- 鉢カバー代わりにバスケットや布などを被せると見た目もおしゃれに。
- 鉢が大きすぎて全体を覆えない場合は、底面と風が当たる面だけでもOK。
共通の注意点と活用アドバイス
- 通気性を確保すること・・・
密閉しすぎるとカビや病気の原因になるため、風の通り道を少し残すことが大切です。 - 日当たりを優先・・・
DIY温室や断熱対策をしても、植物には光が必要です。そのため、日中は窓際に置き、夜は移動させるなど工夫しましょう。 - 暖房器具の風はNG・・・
エアコンやヒーターの温風が直接当たると葉焼けや乾燥の原因になります。そのため、暖房はあくまで部屋全体を暖める用途に。
身近な素材でできる、観葉植物の防寒DIY
このように、寒さ対策はお金をかけずに工夫できることがたくさんあります。
そして、ダンボールや発泡スチロールなど、家にあるもので簡単に作れる防寒グッズを活用して、大切な植物を寒さから守りましょう。
市販の防寒グッズ活用:ビニール温室の選び方
冬の観葉植物の寒さ対策において、市販のビニール温室は非常に効果的なアイテムです。
なぜなら、簡単に設置でき、保温効果も高いからです。そのため、屋内外問わずさまざまなシーンで活躍します。
特徴とメリット
市販のビニール温室には、以下のような特徴があります。
高透明ビニールで日光をしっかり確保
- 透明度の高いビニール素材が使われているため、冬でも光を効率よく取り込み、植物の光合成をサポート。
- 曇りやすい季節でも、少しでも多くの光を活用できます。
優れた保温性で冷えから守る
- 外気との間に空気層を作ることで、夜間や早朝の冷え込みから植物を保護します。
- 外気温が5℃を下回っても、内部は5〜10℃程度に保たれることも。
簡単な組み立て&収納が可能
- 工具不要の組み立て式が多く、女性や初心者でも設置しやすいのが魅力。
- シーズンオフにはコンパクトに折りたたんで収納できるため、収納場所にも困りません。
選び方のポイント
購入時は、次の項目を意識して選ぶと失敗がありません。
サイズ:植物の数と設置スペースに合わせて
- コンパクトタイプ(1〜2段)・・・ベランダや室内の狭いスペース向き。
- 多段タイプ(3〜4段)・・・鉢数が多い、複数種類を育てている人に最適。
- 設置場所(屋外・室内)と、日当たりの状況も考慮しましょう。
素材の耐久性:長持ちするタイプを選ぶ
- 厚手のビニール(0.1mm以上)・・・保温性が高く破れにくい。
- フレームはアルミやスチール製が◎・・・耐荷重が高く、屋外でも安定性があります。
- 安価なものは破れやすい・錆びやすいこともあるため、数年使う前提なら少し良いグレードを選びましょう。
通気性:ジッパーや換気口の有無をチェック
- 前面がジッパー式開閉だと、水やりや手入れがしやすく便利。
- 蒸れ対策として、換気用の開閉窓付きタイプが理想的です。
設置の簡易性:初心者には工具不要タイプがおすすめ
- 差し込むだけで組み立てられる構造のものが人気。
- 説明書が日本語か、動画付きであると安心して組み立てられます。
注意点
設置後も以下の点に気を配りましょう。
日当たりと風対策のバランスが重要
- ビニール温室は日当たりの良い場所に設置するのが基本ですが、風通しの良すぎる場所では転倒や破損の恐れがあります。
- 重りをつける/風対策ベルトで固定する/壁際に設置するといった対策が効果的。
日中の高温に注意し、換気を忘れずに
- 晴れた日には、内部温度が30℃以上になることも。
- ビニールを一部開ける/ジッパーを少し開放して適度な換気を心がけましょう。
定期点検で長持ちさせる
- 定期的にビニールの破れやファスナーの劣化、骨組みの歪みを確認しましょう。
- 劣化が見つかれば、ビニール部分のみの交換キットを利用するとコストを抑えられます。
ビニール温室で安心の冬越しを
ビニール温室は、観葉植物を寒さから守る頼もしいアイテムです。日差しを取り込みながら冷気を遮断し、温度と湿度を安定させることで、植物のストレスを最小限に抑えられます。
そして、購入時は「サイズ・耐久性・通気性・組み立てやすさ」の4つのポイントを確認し、設置後は日当たりや風対策、換気にも気を配りましょう。
これだけで、冬越しの成功率はぐっと高まります。
まとめ:冬も観葉植物を元気に育てるために
いかがでしたか?
冬の寒さは観葉植物にとって大きな負担になります。しかし、植物の耐寒性をしっかり理解し、環境に合った寒さ対策をすることで、安心して冬を乗り越えることができます。
そして、ダンボール温室や発泡スチロールによる断熱など、手軽にできるDIY対策や、ビニール温室などの市販グッズを上手に活用することも大切です。
ぜひ、お住まいの地域の気候や育てている植物の特徴に合わせて、できる範囲から冬支度を始めてみましょう。
ちょっとした工夫が、植物を元気に冬越しさせる大きな助けになります。
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